2つのキーを持つと言っても、曲の途中で転調するわけではありません。アルバム「リボルバー」に収録の「アイム・オンリー・スリーピング」のコード譜を探すと、D#マイナーで書かれたものとE♭マイナーで書かれたものの2種類が混在しています。その理由とは!?
D#とE♭は同じ音ですね。同じ音であれば、調号に付くシャープやフラットが少ない方が適したキー表記になるのでは??(調号については、こちらのブログをご参照下さい。)
それではD#マイナーキーにシャープが、E♭マイナーキーにフラットが何個付くかを調べてみましょう。
話を簡単にするために、平行調のメジャーキーで考えます。D#マイナーはF#メジャー、E♭マイナーはG♭メジャーです。これは、AマイナーキーとCメジャーキーの関係ですね。
シャープの数とその時のメジャーキーは
#0個:C
#1個:G
#2個:D
#3個:A
#4個:E
#5個:B
#6個:F#
F#メジャー(D#マイナー)はシャープが6個でした。
一方、フラットの数とその時のメジャーキーは
♭0個:C
♭1個:F
♭2個:B♭
♭3個:E♭
♭4個:A♭
♭5個:D♭
♭6個:G♭
G♭メジャー(E♭マイナー)はフラットが6個・・・シャープが6個のF#メジャー(D#マイナー)と調号の数が同じですね!
と言うことで「アイム・オンリー・スリーピング」はD#マイナーキーとE♭マイナーキーのどちらで記載しても、調号の煩雑さは変わらないので正解となります。
しかし、どちらか1つに決めたい!という方もおられるかもしれません。そんな方には・・。
この曲はEマイナーキーで録音されたテープの回転数が遅くなって(遅くして?)E♭マイナーキーになったという記事を見たことがあります。その通りなのか、単に半音下げのギターを使ったのかは分かりませんが、曲の始めのコードはローコードのEmを半音下げたものに聴こえます。
以上の曲の成り立ちを踏まえて「アイム・オンリー・スリーピング」はE♭マイナーキー!ということで今回は解決とさせて下さい!!
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