ギターの基礎練習として良く名前が挙がる「スケール練習」ですが、単純に音階を上がったり下がったりするだけでは中々本番で応用が利きません。かと言って、いきなり音楽的なフレーズを弾くのは無理があります。今回は、そんなスケール練習を段階的に発展させるアイデアをご紹介したいと思います。
①順番になぞる
今回は5フレットポジションのAナチュラルマイナースケールを題材にします。
白抜きの丸がルート音です。
まずは小細工なしに、スケールを順番に弾いていきます。
音符に付いている1から4の数字は、クラシックギターの楽譜でよく出てくる左手の指番号です。
1: 人差し指
2: 中指
3: 薬指
4: 小指
ルートからルートへ音をなぞることによって、スケールの持つ雰囲気を感じることができます。
ポジションを把握していない場合は、この段階で覚えてしまいます。
②3度上(下)の音を入れて上昇(下降)
次に、3度上または下の音を入れる(スケール音を1音飛ばす)運指を練習します。
機械的に上昇/下降しているだけですが、まずまず音楽的なフレーズになります。
うまく弾けない部分があれば、左手がまだその運指になれていない、すなわち、曲作りやアドリブ等でとっさに出ることのないフレーズと言えると思います。
特に赤い音符で示した部分はジョイントと呼ばれるテクニックで、ここでつまりがちです(ジョイントに関してはこちらのブログをご参照下さい)。
③4音ずつ上昇(下降)
最後に、4音ずつ弾いて上昇し、同様に下降します。
このフレーズをそのまま使うことはないでしょうが、一部をソロの導入部をしたりリフの一部としたり応用が利きそうです。
一見これまでのフレーズと関係なさそうですが、赤い音符の部分にご注目下さい。
②3度上(下)の音を入れて上昇(下降)と同じ運指になっています!
それ以外は①順番になぞると同じなので、①と②のフレーズが弾ければ案外この③のフレーズも弾けてしまいます。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
単調になりがちなスケール練習を段階的に発展させて、音楽的なフレーズとなる運指を習得することができました。
今回は②で3度上(下)の音程としましたが、4度であったり1度(同じ音)にしたり、様々なパターンが考えられます。
色々試してみて、気に入った響きに出会ったらその運指を集中的に練習して発展させてみて下さい。
すべてのパターンを弾けるようにと言うよりは、たとえスケール練習でも出ている音を注意深く聴いて、考えながらプレイすることが大事だと思います。
関連記事
見落としがちな左手のテクニック「ジョイント」を攻略しよう!
練習日記、つけてみる?
効果がなかった練習方法
演奏前に必ずする作業「チューニング」の話