突然ですがクイズです!身近な弦楽器を2つのグループに分けました。各グループで共通するのは一体何でしょうか?Aグループ【バイオリン、ビオラ、チェロ、マンドリン】。Bグループ【ギター、コントラバス、ウクレレ、バンジョー】。
各グループの考察
答えは、隣り合う開放弦の音程の違いです!
Aグループは完全五度、Bグループは(一部例外の弦もありますが)完全四度、もしくはそれよりも小さくなっています。
完全五度は、基準の音をC(ド)とすると、高い方の隣の弦はG(ソ)です。
完全四度は、同じく基準をC(ド)とすると、高い方の隣の弦はF(ファ)です。
つまり、Aグループの方が隣り合う弦の音程差が大きいということです。
何故このような違いが出たか?
これは音階を弾くときに、弦を押える手がなるべく移動しなくてすむのが、大きな理由だと思います。
例えば、マンドリンはギターよりも弦の長さが短いためフレットの間隔が狭く、左手のポジションを移動せずにギターよりも沢山の音を(1本の弦で)弾くことができます。
すなわち、ギターよりも隣の弦と音程差があっても、楽に音階が弾けるということです。
同時に弾く音の数も関係しているかもしれません。
Aグループは単音で旋律を弾くのがメインですが、Bグループは和音やアルペジオを弾くことも多いです。
少ないフレット内に音がギュッと収まっている方がコードフォームがシンプルになるので、Bグループの方が音程が狭いというわけです。
各グループのイメージ
Aグループ【バイオリン、ビオラ、チェロ、マンドリン】は「華やか」で「高貴」なイメージがあります。
これは、前述の通り隣の弦と音程差があるチューニングのため、出せる音域が広く、1本の弦で担当する音が多いため、複雑な旋律も弾きやすいことが影響していると思われます。
逆に、Bグループ【ギター、コントラバス、ウクレレ、バンジョー】は「素朴」で「親しみやすい」イメージです。
前述の通り、和音やアルペジオなどで歌の伴奏をすることが多いのが、身近に感じる理由の1つでしょう。
また、ペンタトニックスケールが使いやすい運指になることも関係しているかもしれません。
ギターだと、下のAマイナーペンタトニックのポジションが代表的なものですね。白抜きの丸印がルート音です
人間が自然に自由に歌ったとき、この音階上の音を使うといわれています。
そういえば、オーケストラに欠かせない弦楽器【バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス】の内、コントラバスだけがBグループですが、何となくしっくりきます。
ウッドベースとして、ジャズやアコースティックな編成では欠かせない楽器で、耳にすることが多いからかもしれません。
さいごに
弦楽器に対するイメージとチューニングは密接に関係しているのではないか?という考えを、例を挙げて説明してきました。
もちろん優劣をつけるとかではなく、楽器の大きさや材質、弾き方など以外に、チューニングがその個性(キャラクター)を決める大きな要素であることを意識すると、音楽を聴いたり楽器を弾いたりするときの楽しさが1増えるのではないかと思った次第です。
かく言う私も、ギターの歴史やギター以外の楽器に明るくないのをこの記事を書きながら痛感したので、また楽しみながら調べてみたいと思います!
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