ギター歴が長くなってくると、イイ感じで弾けている!という期間と、思ったよりダメだな・・と感じている期間が繰り返されている印象を持つようになりました。今回はその経験則から、長くギターを楽しんで上達できる練習方法を考えてみたいと思います。
弾く能力
「ギターが中々うまくならない」「いつも同じ練習ばかりしている」と思ったことはないでしょうか?
一生懸命やっても成果が伴わなければ、モチベーションが下がってギターを弾かなくなってしまいます。
言葉では伝わりづらいので、図を描いて考えてみましょう。
縦軸に能力、横軸に時間を取りました。
ここに弾く能力をプロットします。
「ギターが中々うまくならない」はこのような状態です。
ある程度練習を重ねると、思ったように成果が上がらなくなる現象を「プラトー現象(高原現象)」と呼ぶそうです。
確かにギターに限らず、学校の勉強や筋トレなどでこの現象を経験したことがある気がしますね。
次に「いつも同じ練習ばかりしている」状態です。
久しぶりにギターに触ったときや、本番が近くなってきたからと急に練習を始めたときなどが、ここに該当すると思います。
- プラトー現象から抜け出せないまま弾く能力が低下する
- 同じ練習をして前の能力くらいまで戻る
- あまり上達しなくなる
以降繰り返し・・・
このような負の無限ループに陥ってしまうのは、色々な原因があると思います。
勉強や仕事が忙しくて時間がなかったり、音楽以外のことに没頭していたり。。
どうにもならないことも多いですが、今回は「聴く能力」を磨くことで脱却を図りたいと思います。
もう1つの能力
ここでの「聴く能力」は、良い音楽かを客観的に判断できる力です。
ここまでの図に、予想される聴く能力を追加しています。
【弾く】と【聴く】どちらが上回っているかで区切ります。
①はギターを始めた直後です。
何かしらの音楽を聴いている状態からギターを始めるので【聴く】の方が上回っています。
ほとんど弾けないため、頑張って練習して【弾く】がどんどん伸びていきます。
やがて【弾く】が【聴く】を上回って②の状態になります。
ここは自分の演奏が上手に聴こえて、とても楽しい期間です。
ただし、思ったような評価が得られなかったり、何を練習したら良いか分からない期間でもあります。
なにしろ【聴く】以上に弾けているので・・。
このままだと【弾く】が衰えてきて、再び【聴く】が上回る③の状態に移ります。
自分が思ったよりも弾けていないことに気付き、焦りだすタイミングです。
もう一度弾けるように練習する方法が分かっていたとしても、同じことの繰り返しなので中々やる気が起こらないでしょうし、ギターに対する熱も冷めてしまうかもしれません。
では一体どうすれば良いのかというと【聴く】を持続的に向上させることだと思います。
そうすると図の赤丸の時点から、自分の演奏の課題や練習すべきことが見えて(聴こえて?)くるので、新たに有意義な練習に取り組むことができます。
そうなれば【弾く】もこのように変わります。
まるでDNAの二重らせんのように、絡み合って進んでいます!
【弾く】【聴く】のどちらにもプラトー効果が起こる可能性はありますが、それをどちらかが補ってくれている理想的な状態ではないでしょうか?
冒頭の経験則「イイ感じで弾けている!という期間と、思ったよりダメだな・・と感じている期間が繰り返されている」にもピタリと当てはまっています。
具体策
では【聴く】を伸ばしていくには、どのような方法があるか考えてみます。
当たり前に思われるかもしれませんが、まず色々な音楽を聴くことではないでしょうか。
練習に対してはストイックでも、曲をコピーするとき以外は腰を据えて音楽を聴かないという人が、案外多い気がします。
また、自分の好きな音楽ジャンルを神聖化して、特定のジャンルを疎んじる方もたまにいて、もったいないなと思うことがあります。
ギターヒーローのインタビューあるあるで、影響を受けた人とか好きなアーティストを聞かれると、想像よりも多くのジャンルから沢山の名前が挙げられます。
アウトプット(弾くこと)だけでなく、インプット(聴くこと)が大事なことの証明ではないでしょうか。
次に、自分の演奏を録音して聴いてみることも効果が大きいのでオススメです。
演奏中は弾くのに必死で、思った以上に自分が出した音を聴いていないものです。
また、自分の演奏は過大評価しがちです(ダニング=クルーガー効果と呼ばれるそうです)。
録音して客観的に聴くのを繰り返すと、それらが徐々に改善されます。
最近はスマホでも簡単に録音ができるので、ぜひやってみて下さい!
なお、録音してから1日以上空けるとより冷静に分析できるので、効果が倍増するように感じます。
ここまで記事を書いてきて、ギターを習うことは自分の弾く能力より、講師の聴く能力が上回っている状態で、色々と教えてもらうことだという気がしてきました。
「100m走のコーチは必ずしも10秒を切って走れる必要がない」のも、走る能力と走りを分析する能力を別々に考えれば納得できます(もちろん指導力は必要でしょうが・・)。
教えてもらうと、自分には聴こえていないポイントに気付き、さらに弾けるように改善されるので、かなり合理的な上達方法だと言えるかもしれません。
今回の話題とずれますが、ギター教室には「人前で弾く」という効果もあります!
さいごに
ギターを継続して上達する方法を図で考えて、聴く能力を上げる具体策に落とし込みました。
練習しなければうまくなりませんが、練習だけではうまくなりません。
その辺のモヤモヤが少し整理できたかなと思います。
私もまだ【弾く】と【聴く】のスパイラルを登っていこうとしている身ですが、今回のブログで1人でも練習に前向きに取り組める方が増えれば幸いです。
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