ギターがつたないのに心に響く弾き語りもあれば、歌もギターも申し分ないのに伝わってこない弾き語りもあります。私自身は歌わないので大きなことは言えませんが、これまで数多くのギター弾き語りのミュージシャンを見てきました。今回はギタリストの視点から、弾き語りのコツをまとめてみます。
弾き方のコツ
弾き語りは歌がメインなので、ギターはそれを的確にサポートすべきです。
逆に言うとギターが歌を邪魔をしていると、伝わるものも伝わりません。
やってしまいがちなのは、ギターをきちんと弾こうとしすぎて常に100%の力でギターを鳴らしてしまうことです。
イントロは100%で弾き始めたとしても、Aメロではスッとギターの音量をおさえる。
そうすることでヴォーカルが際立ちますし、サビで再びギターの音量を上げて盛り上げることもできます。
曲によっては歌が休むたびにギターを上げる、コールアンドレスポンス的な弾き方でも良い効果が得られるかもしれません。
ピックのストロークと指弾きを併用するのも有効です。
イントロは指弾きでソロギターっぽく弾き、歌が始まるとピックでリズミックにバッキングすると、曲に抑揚がつきます。
もちろん、AメロとBメロや1コーラス目と2コーラス目で変えるのもありです。
弾き語りではピックで単音のメロディーを弾きづらい(バックがないので寂しい)ので、コードストロークだけになりがちです。
シンプルな指弾きでも、ピックだけでは難しいカラフルなアレンジにすることができます。
途中でテンポを変えたり音を鳴らさないのは、弾き語りではやりやすく効果のあるテクニックです。
バンドでもできなくはないですが、合わせるのが大変ですね。。
テンポが一定でなく変化すると、歌い手が曲と一体になっている感じが出ます。
急に無音のブレイクが入ると、聴いている方は曲に再度ひきつけられます。
完全に無音ではなく、ブラッシングのストロークを入れるだけでもインパクトが大きいのでおすすめです。
歌をサポートするという意味では、コードのトップノートを工夫するのも良いでしょう。
音が取りにくい部分はコードのトップ(一番高い音)に歌メロと同じ音をもってくると、歌いやすくなります。
逆に歌いにくい部分は半音でぶつかっているかもしれません。
他にも、歌とハーモニーになるトップノートにしたり、歌と反対の動きをするカウンターラインを弾いたりしてもグッドです。
慣れたコードフォームで弾きがちですが、少し構成音を変えるだけで歌いやすさや曲の印象はガラリと変わります。
機材のコツ
弾き語りするとき、ヴォーカルはマイクで、ギターはエレアコからラインで出力することが多いと思います。
エレアコには音を大きくするためのプリアンプがついていますが、プリアンプのイコライザーの設定を変えると歌がクリアに聴こえるようになる可能性があります。
イコライザーはボリュームなどと共に操作できるようになっているツマミです。
このギターでは左から、ボリューム、2つ付いているピックアップのブレンド量の調整、Treble(高音)、Middle(中音)、Bass(低音)になっています。
高音、中音、低音はフラット(中央)にして使われることが多いですが、ヴォーカルの音域とかぶらないように調整してみて下さい。
例えば男性だと中音を少し減らしたり、逆に高音を上げてみたりすると・・音域の住み分けができて全体がまとまって聴こえるようになります。
ギターによって調整できる幅やツマミの数が違うので、色々試してみて下さい。
ヴォーカルとギター以外の音を入れるとサウンドに厚みが出ます。
ブルースハープや口笛、足で取るリズム音などがポピュラーですね。
珍しいところでは、鼻笛や足でパーカッションを操作する方もおられます。
録音しておいた効果音、例えば川のせせらぎや街の喧騒を流すのもおもしろいです。
コード譜や歌詞カードを見ない方が良さそうですが、状況にもよると思います。
これについてはブログ「楽譜を見ながら弾いて良いとき、悪いとき」で考察しているので、よければご覧下さい。
弾き語りではカポタストを使うことも多いですが、カポをつけたときのチューニングには注意が必要です。
装着力が強いと特に太い弦で音がシャープするため、つけた後のチューニングの確認と微調整は必須です。
あまりに音が狂うと調整も大変なので、お手持ちのカポのベストな取り付け方法を探してみて下さい。
音がビビらず、狂わず、素早く着脱できるとベストですね。
指弾きのときにピックをカポよりヘッド側の位置に差す裏ワザがあります。
このときも強く差し込むと音が変わるので注意して下さい。
さいごに
いかがだったでしょうか?
ほとんどのコツは基本的なこと、または少しの調整でなんとかなることでした。
1つでも試してみて頂き、あなたの歌が1人でも多くの人の心に響けばこれほどうれしいことはありません。
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