音楽理論が知りたいと思って教則本をさがしても、どれを買ったら良いのかの判断はなかなか難しいと思います。今回は私自身が読んで感銘を受けた教則本を3冊ご紹介したいと思います。
ギターで覚える音楽理論(養父貴・著)
ある程度、楽譜の読み方やコードの押え方を習得した方におすすめです。
この本を読めば、普通の曲を理論的に整理して自信をもって弾けるようになります。
ギターならではのアイデアも色々紹介されているので、アレンジや曲作りにも応用ができます。
この本の最大の特徴は、実際に自分のギターで音を出して確認できることです。
音楽理論は音を聴いてその感覚を整理するのが最良ですが、なかなか理想通りにはいきません。
本の譜面をギターで弾くために変換する必要があったり、そもそもテクニックや知識的にすぐに弾けないものもあります。
その点、この本はコードダイアグラムやタブ譜がついているのでギタリストは安心です。
自分でギターが弾けない環境でも、付属のCDで耳で確認することができます。
このCDの内容がとても音楽的で、実際の曲の理論的な下地が見えて興味深いものばかりです。
さらに、著者の説明が固すぎず砕けすぎず、非常にわかりやすいのもポイントです。
これまで音楽理論を学ぼうと思って挫折してきたギタリストも、一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
ジャズ・スタンダード・セオリー(納浩一・著)
ジャズベーシスト納浩一さんの教則本です。
ジャズスタンダードを題材に、ジャズの理論を学ぶことができます。
この本を読むと、よほど難解な曲でなければ曲を分析してスケールやテンションノートが判断できるようになります。
当たり前ですが、題材のジャズスタンダードが良い曲ばかりなので、その曲の分析(アナライズ)にも自然と熱が入ります。
メロディーとコード進行だけの譜面の裏側にある謎を、解き明かして行く感じ・・推理小説やパズルのようで楽しいです。
たまに理論ではすんなり説明できない部分もあったりして、音楽の自由さも再認識できます。
また、この著者の説明も非常に分かりやすいです。
「分からない物理の問題を納得するまで懇切丁寧に説明してくれる先生」って感じです!
近頃はポップスでも複雑なアレンジになっていることも多いので、ジャズは別に・・と思われる方もかならず役に立つ内容なのではないでしょうか。
タブ譜やコードダイアグラムの記載はないため、ある程度楽譜が読めてテンションコードも弾ける方におすすめです。
99%の人が知らない「本当のスケール練習&活用法」(竹内一弘・著)
この本は最近見つけたのですが、従来のスケール本とは一線を画す内容なので思わず購入しました。
詳細は実際に手に取って確かめて頂きたいのですが、著名なギタリストがプレイ時に理解していること、もしくは感覚に身につけていることを習得できるよう、文字にして一冊にまとめたような内容になっています。
当サイト内のブログ「スケール練習のお役立ちアイデア」でもスケールについて書いています。
こういった練習は左手を自由に動かすための身体的なトレーニングの色が濃いですが、教則本の方はより音楽的感覚的にスケールを扱えるようになろうという趣旨です。
スケールを覚えたけれど、実際の曲で活用することができない・・という状態の特効薬になる可能性を秘めた本です!
私もこれからじっくり読み進めてみようと思います。
さいごに
おすすめの音楽理論の教則本を3冊ご紹介しました。
他にも良書はたくさんありますが、特に感動した選りすぐりの3冊です!
私はこれまで多くの教則本を購入してきましたが、1冊分の内容を順番にマスターすることはとても大変だと思います。
知りたい内容をつまみ食いして、時にはページを戻ったり時には違う本に飛んだりして、少しずつ自分の身につけて行くのが良いのではないでしょうか。
音楽理論はちょっとしたことで理解できたり応用することも可能なので、よろしければギター教室の方でもご相談頂ければと思います。
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