楽器の弾き方に関する教則本は星の数ほどありますが、たくさん練習したからといって本番で成功するとは限りません。今回はライブを成功させるノウハウが直接書かれた、貴重な書籍をご紹介したいと思います。
これで人前でも本当の実力でギターが弾ける(佐々木秀尚・著)
演奏活動のほか、教則本も多数執筆されているギタリスト 佐々木秀尚さんの本です。
ギタリストなら誰しも言ったことがあるフレーズ「練習では弾けてたんだけど・・」をなくし、本番で実力を出し切るための考え方や練習アイデアが詰まっています。
特に印象に残っているのは、練習するときのテンポについて。
弾けない部分はテンポを遅くして練習するのが常套手段ですが、少し慣れてくると弾けるギリギリのテンポで弾きがちです(その方が楽しいし練習している感じがあるので・・)。
それではせっかく練習しているのに間違えるクセがついてしまうので、グッと我慢して良いクセを身体になじませていく・・。
頭では分かっていても、実践するのはかなり難しい(しかし効果的)です。
著者曰く、目標のテンポで弾くのは「練習した最後のご褒美」とのこと。
「運動したあとのビール」みたいで凄く良い言葉ですね~。
人前で思ったようにギターを弾くには、場数をふむのが一番と言われるかもしれません。
その理由についてはブログ「人前で弾くとうまくなる」の何故?でも考察しています。
しかし、あまり準備をしないまま人に聴いてもらうのは相手の時間を奪う行為になりますし、コロナ禍でふめる場数自体もかなり少なくなってきています。
数少ない本番でビシッと決めるためにも、できる限りの準備をして臨むべきなのではないでしょうか。
バンドマンが読むべきライブハウスの取扱説明書(足立浩志・著)
ありそうでなかった、ライブハウスでライブをするためのハウツー本です。
出演料とノルマの話や「かえし」などの専門用語の意味、リハーサルの進め方など、これまでは経験者に教えてもらったり、人から人へ口頭で語り継がれてきたルールやノウハウがまとめられています。
ライブをしてみたいけど分からないことが多くて二の足を踏んでいる人や、場数は踏んでいるけれど同じライブハウスから二度とお呼びがかからない人(暗黙のルールを破っているかも・・)にはうってつけの内容です。
楽器(パート)の選び方、バンドのメンバー集めなどのスタート地点からライブハウス出演までが書かれているので、なんとなくライブをしたいな~と思っている人が、とりあえず読んでみるのもありです!
私自身もそうですが、ライブハウスよりも小さなライブバーやカフェなどで、ソロやデュオ程度で演奏するのが多い人もいると思います。
それでも、お店の方と協力しあってお客さんに良い音楽を届けるという根本はライブハウスと同じなので、役に立つことは多いです。
謎に満ちた(ように見える)ライブハウスのハードルを下げてくれる、画期的な一冊です。
ライブハウスオーナーが教える 絶対盛り上がるライブステージング術(佐藤ヒロオ・著)
お客さんを満足させるにはステージでどう振舞えば良いか?
この本ではMC(しゃべり)のやり方を中心にノウハウを紹介しています。
MCをうまくやる方法なんて「異性とうまく話す方法」を本で読んでるみたい、役に立つの?
と思われるかもしれません。
確かに、MCは人やバンドでそれぞれですし、完全に準備していくものでもないかもしれません。
ただ言ってはいけないNGワードは、知っておいて損はありません!
私が思うNGワードは「今日は少し風邪気味で・・」とか「緊張してます」とか「(奇抜な演者の後に)何かやりにくい空気ですね・・」などですね。
仲間うちの集まりならセーフですが、お客さんがいたらアウトだと思います。
実はこの本には、もっと言ってしまいそうな意外なNGワードが書かれています・・!
気になる方は本を手に取ってみて下さい。
MC以外にもステージングのアイデアが散りばめられているので、ライブを控えている人は読んでおいて損はないと思います。
誰も教えたり注意してくれないことなので、目からウロコが落ちること請け合いです。
さいごに
ライブを成功させるノウハウが詰まった3冊をご紹介しました。
同じ内容の本は(少なくとも私は)見たことがなかったので、思わず買ってしまったものばかりです。
もしかしたら楽器屋さんの教則本コーナーには置いていないかもしれないので、書店の音楽コーナーなども覗いてみて下さい。
最近は演奏動画をアップされる方も増えてますし、ライブハウスでも生演奏+ツイキャスなどによる配信 という形も増えていますね。
「いかに画面の中で映えるか」に焦点が移っていくのかもしれませんが、実際に人前で演奏すること、生で音楽を聴くことの大事さは不変だと思います。
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