ソロギター用に編曲(アレンジ)するのは大変な作業です。いくら「小さなオーケストラ」と言われるギターでも、たった1本でできることは限られているので・・。しかし逆に考えると、ギター1本だけなので他の楽器に配慮する必要がないということです!その利点を活かした反則すれすれ?の裏技をご紹介します。
コードを変えてしまう
コードのルートをベース音として親指で弾きつつ、他の指でメロディーを同時に弾くのが、ソロギターアレンジの常套手段です。
これだけで音楽的に良い感じなのですが、よく次のような壁にぶつかります。
- ベースを押えるとメロディに指が届かない
- メロディーを弾くとベースが押えられない(あるいはベースがオクターブ上がってしまう)
そんなときはベースをコードのルート音から変えてしまいましょう!
変えるのは、まずそのコードの3度の音が候補になります。
CコードならEの音、AmコードならCの音ですね。
少し曲の雰囲気は変わりますが、大きくは崩れないはずです。
他にも、代理コードのルートを弾いてしまうのもありです。
キーCメジャーで、FのところをDm7としてD音をベースにしたりするイメージです。
思い切ってベースをペダルトーン(コードが変わっても同じ音)にしても良いかもしれません。
この辺は理論的な知識があるとスムーズに進みますが、最終的には聴いて良ければOKだと思うので、色々試してみて下さい!
この「明日に架ける橋」では、ハイポジションでメロディーを弾きつつどっしりとしたベース音を確保するために、ルート音でない開放弦をちょこちょこ入れています。
リズムやテンポを途中で変える
Aメロは静かに、Bメロで盛り上げつつ、サビで一気にたたみかける!
聴いている人の興味を惹き続けるために、バンド等のアレンジには様々な変化がつけられていることが多いですが、ソロギターではなかなか難しいですね。
そこで、少しでも長く聴いてもらえるように、リズムやテンポを曲中で変えてみるのはどうでしょうか?
バンドでは息を合わせる必要があって高度なアレンジになると思いますが、ソロギターでは比較的簡単です!
この「I Got Rhythm」は少し極端ですが、計5種類のリズムを次々と弾いていくアレンジにしています。
カポの位置を途中で変える
曲途中での転調は、聴いている人をハッとさせる特別な効果がありますね。
ただソロギターでは、キーが変わると運指が全く変わってしまったりして大変です。
そこで、曲途中でカポの位置を変えて運指をそのままにキーチェンジしてみるのはどうでしょうか?
この「恋心」では2カポから5カポに変更して、過ぎ去った年月をキーの変化で表現しています。
カポを移動させた後にきちんと音が出てくれるかドキドキですが・・。
キーを変えてしまう
Aパートはスムーズにアレンジできたのに、Bパートが全然うまくいかない・・。
そんなときに、Bパートをアレンジしやすいキーに変えてしまうという荒技です!
キーを変えた所で違和感が生じやすいので、そこだけは何とかしなければいけませんが・・。
このアレンジがはまる可能性があるのは、AパートとBパートで、もともとキーが変わっている曲です。
例えばAパートはDメジャー、BパートはE♭メジャーという曲を、AパートはDメジャーのままBパートをEメジャーとしても、それほどおかしくはならないと思います(聴いてみて変でなければOK)。
もしBパートからAパートに戻るような場合はその方法も考えないといけませんが・・アレンジのアイデアの1つとして試してみて損はないと思います。
アレンジしている曲が自分で作ったものであれば、ソロギター用にキーを変えたものを正としてしまうのもありですね!
この「ボスバトル」はそんな思想で、しれっとキーが変わることになったオリジナル曲です。
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