ルーパーを使ってライブでも演奏可能な完成されたアレンジをするには?その方法の第二弾です。ルーパーの出力は基本的にモノラルのため、すべてのパートを同じ音で重ねるとグチャグチャして何をやってるか分からなくなってしまいます。バンドで各楽器の音域が被らないよう注意するように、ルーパーを使う時も音の住み分けを考える必要があります。
ルーパーの用途に限らず必要
ルーパーの用途は、大きく分けて練習用と本番用の2つがあります。
当然、本番で使う時の方が考慮すべきポイントが多いのですが、両方に共通するのが「音の住み分け」です。
まとめると下の表のようになります。
例えギターソロの練習にルーパーを使う場合でも、録音したバッキングがうるさいとソロに集中するのは不可能です。
もしかしたら、無駄に音数が多くなったりキンキンするような音色でソロをとる癖がついてしまうかもしれません・・。
本番は自分以外に人に聴いてもらうことになるので、なおさら出音に注意する必要があります。
音の住み分けのイメージ
ルーパーの出力がモノラルということは、左右の定位で音を分離することができません。
下の図のように、縦方向の音の高さで住み分けをする必要があります。
丸の大きさは何となく音量を表しています。
聴かせたい歌メロが一番大きく、それ以外は控えめということですね。
録音などをバリバリやられている方なら、もっと上手に図示できると思うんですが・・イメージはつかんでもらえると思います!
もしすべてのパートが同じような音域にいると次のようになります。
ヴォーカルが何か歌ってるけど歌詞が聴き取れずに良く分からない・・みたいな状況です。
パフォーマンスとしては前の図と同じことをやってるのに、伝えたいことが伝わらないのはもったいないですね!
音を住み分ける方法
では、実際にどうやって音の住み分けをするかですが、大きく分けて「弾き方」と「機材」の2つの方法があります。
弾き方では例えば次の方法で音域の変更が可能です。
- ピックで弾く or 指弾き
- ネック寄りで弾く or ブリッジ寄りで弾く
- ミュートやハーモニクスを使う
- ピッキングのアタックやピックの角度を変える
私は指弾きのときは爪を使わない「肉弾き」のピッキングなのですが、爪で弾くよりもマイルドなトーンになります。
これがピックの硬質な音と被らないため、バッキングを指弾き、リードをピックにするだけでもそれなりに統率された響きになります。
機材では次のように変更できます。
- ギター側のツマミをいじる (ピックアップセレクター・ボリューム・トーン・イコライザー等)
- エフェクターを使う、組み合わせる
私が良くやるのは、バッキングではエレアコのプリアンプのイコライザーのHiとMidを落としてルーパーに録音し、リードはそれらをもとに戻してから弾くというやりかたです。
セッティングの変更もなるべく簡便な方が良いので、お手持ちの機材に合った方法を色々探してみて下さい!
エフェクターを使い出すと、出来ることは無限に広がります。
例えばオクターバーを使ってベースパートを録音したり、ソロではディストーション+ディレイをかけたり、リズムマシンを使ったり・・。
高性能なルーパーだと、途中で録音パートを出し入れできたり音量を変えられたり、機材の部分の選択肢がもっと多いかもしれません。
今回のまとめ
音の住み分けの重要性と、その方法をご紹介してきました。
ここまで書いてきて、様々な音色が出せるギターは、もっともルーパーを活用しやすい楽器ではないかと思った次第です。
ルーパーでのアレンジは、瞬発力が必要なテクニックとかアドリブなどとはまた違って、総合的に構築できるので面白いですね。
ありとあらゆる方法を駆使して、聴く人を惹きつけるアレンジにしたい所です。
肝心のそのアレンジの方法やアイデアについては、ちょっと引っ張ってまた次回にご紹介したいと思います。
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