昨今はソロギターだけでなく歌伴でも爪を使ったフィンガーピッキングが主流になっています。しかし仕事上の理由で爪を伸ばせないとか、肉弾きの音色が好きなどの理由で爪を使わずに弾く人もたくさんいると思います。今回はほとんど語られることのない肉弾きのやり方について書いてみます。
はじめに
私は何度かフィンガーピッキング・デイというフィンガースタイルギターの大会に出ていますが、出場者は私以外全員が爪弾きでした。
もちろん過去には肉弾きの方もいらっしゃったかもしれませんが、肉弾きが少数派なのは間違いないと思います。
しかし、趣味として休みの日にギターを楽しむような人を合わせると、爪弾き派の方が少ないのではないでしょうか。
このあたりのギャップから、今回のブログを書いてみようと思いました。
自分が肉弾きをしてきた経験からそのやり方を書いて行くのですが、私もまだまだ研究中ですし、爪の形や丈夫さが人によって異なるようにベストな肉弾き方法も個人差があるはずなので、参考程度に見て頂けたらと考えてます。
右手の状態
まず爪の長さですが、指先の肉が少し見えるくらいに揃えます。
肉弾きは爪弾きよりも深く(サウンドホールに近い位置で)ピッキングするため、爪が長すぎると他の弦に当たって邪魔になります。
なので小まめに切ってこの状態を維持します(私の場合は5日程度を目安に切ってます)。
親指も同様です。
注意したいのは、深爪をしすぎても指先に力が入らなくなることです。
指先や爪の形は人それぞれだと思うので、ベストな爪の長さを探ってみて下さい。
手のひら側はこんな感じです。
見た目はただの手のひらなんですが・・メインで使う親指、人差し指、中指の弦に当たる部分(写真の各指先の右側)は若干硬くなっている状態です。
おそらく左手にタコができるのと同じで、右手の指先に少し痛みを感じるくらいに弾くのを毎日繰り返していると徐々に硬くなってきます。
私の場合はある程度以上の硬さのタコになるとそれがめくれて、普通よりも弱い状態に逆戻りしてしまうので、それなりのタコの状態をキープするようにしています(肉弾きで弾き過ぎないようにする)。
この辺りも人それぞれだと思うので、右手のベストな状態も探りつつ指先を育ててみて下さい。
音色が良くて音量も稼げて表現力がある良いタコ?ができるといいですね!
右手のフォーム
これも正解は1つではありませんが、私の場合は大体次のような感じです。
ピッキングに使わない小指を立ててボディとたまに接触するようにして、弦との距離感を測るセンサーとしての役割を持たせています(たまにつられて曲がってますが・・)。
動画では分かりづらいですが、親指の付け根あたりをギターのボディに密着させて弾いています。
これは、肉弾きでは爪で弾くよりも弦との引っ掛かりが少なく弦をとらえるのが難いので、右手側を固定したいためです。
固定の具合は強く弾きたいときはしっかり、通常時は触れる程度にしている感じです。
右手の位置を変えて音色を変えたりするので、常時固定しているわけではありません。
カントリー・ブルース系のギタリストには肉弾き派も多いですが、私とは逆に小指や小指と薬指をボディに固定するスタイルを多く目にします。
続いて指や腕の角度についてです。
正面から見た時の指の角度は、腕と一直線になるようにしています。
これが一番自然に指を動かせるからです。
また、腕と指の直線からなる軸に対して右回りに回転してピッキングポイントがずれやすいので、フォームが定まらない頃は鏡を見て練習してたりしました。
ただ、手刀でのミュート時などはある程度の回転は仕方ないと思います。
おわりに
肉弾きのフィンガーピッキングのやり方をご紹介しました。
何度も書いてますが、人によっても、また使うギターによっても微妙に状況は変わってくると思います。
肉弾きはクラシックギターの爪の使い方のように洗練されておらず、正解がないのも難しい所です。
ただ、その分個性的な音を目指せるとも言えるのではないでしょうか。
このブログが少しでも肉弾きフィンガーピッカーの方々の参考になれば幸いです。
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