ギターで曲を作る時、メロディーやコード進行が被らないようにバリエーションをつけがちではないですか?ソロを弾く時は次々と新しいフレーズを繰り出そうとしていませんか?私自身そんな癖があってうまくいかないことが多かったんですが、これって日本語を話す人に顕著な傾向なのかもしれません・・。
言語の習得と楽器のそれには類似性があると良く言われます。
文字が音程、その組み合わせが単語でありフレーズ、さらにその組み合わせが文章でありメロディー・・といった具合です。
上手な人の表現を真似すると上達が早くなったり、自分の言葉で話すには相当の時間が必要だったりといった点も共通しています。
言葉については、私は話すのも文章を書くのも得意ではなかったんですが、このブログを書くようになって色々と気を付けるようになりました。
伝えたいことを端的に表現するために、「頭痛が痛い」のような重複している表現はもちろん、「お送り頂いたものを確認させて頂きます」のように「頂」が2つあるのも冗長に感じるので避けるようにしています。
同じように気を付けている(もしくは無意識に避けている)方も多いのではないでしょうか?
でもこれって、音楽では少し違うのではないかと思うようになりました。
音楽的には適度に繰り返しがあった方が面白くなる傾向があるからです。
サビが1曲の中で数回繰り返されるとか、あるフレーズをモチーフとしてそれが発展していって曲が構成されるとか・・。
単純なコード進行の繰り返しでも名曲はたくさんありますし、ギターリフなんて繰り返しの最たるものです!
日本語的な繰り返しを嫌う感覚は少し忘れて、楽器を弾いた方が良い結果になるかもしれません!!
加えて、日本語は抑揚が少なく、感情や立場を言葉自体の言い換えで表すことが多いです。
例えば「あの人」の言い換えとして思いつくのは「あいつ」「あやつ」「あの野郎」「きゃつ」など・・。
ちょっと丁寧でないのが多いですが、どれを選ぶかによってニュアンスがまったく違ってきます。
ちゃんと調べたわけじゃないですが、例えば英語だと同じ単語「heとかshe」をつかって言い方(または書き方)の違いでニュアンスを変える方向だと思います。
この辺りが、メロディーやコード進行のバリエーションに走りがちな原因ではないでしょうか?
同じ(または似ている)フレーズを延々と繰り返して盛り上げるなんて、なかなか怖くてできないですよね・・。
その辺の固定概念を覆してくれるのがGrant Greenのこの曲です。
ぜひ1曲通して聴いてみて下さい!
シーケンス(繰り返し)フレーズでテンションが上がってくる感じが何とも言えません!!
余談ですが、この曲(12小節のジャズ・ブルース形式)ではGreenがII-Vフレーズを早目に弾き過ぎて字足らずな感じになったり(0:44あたりから)、バンドがテーマに戻ろうと4ビートから2ビートにしてるのにもう1コーラスギターソロを弾いたり(6:11あたりから)と、録音時の様子がそのまま残っているのも興味深いポイントです。
閑話休題、、
日本語を話す人が楽器を弾くときは、繰り返しに対してポジティブな感覚を持ち、同じ音列でもニュアンスを変えて様々な表現をするように心がけると良いのではないでしょうか!
きちんとした音楽教育を受けていれば当たり前のことかもしれませんが、独学の期間が長いと陥りやすい罠だと思います。
逆に考えると、単語のバリエーションとニュアンスの両方を使いこなせれば、その掛け算で表現方法は一気に増えるってことですしね!!
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