ギターを弾く前にチューニングするのは皆同じですが、何弦からチューニングするかは人それぞれ違うのではないでしょうか?最終的に音が合えばどこからでも良いと思いますが、長いギター人生の中で何回もやる作業なのでちょっと考察してみたいと思います。
チューニングの開始弦ベスト3
ギターの弦が6本なので始めにチューニングする弦は6通りが考えられます。
しかし、ややこしいので端っこの弦以外からチューニングする例はあまり見たことがありません。
ほとんどが次の3つのうちどれかではないでしょうか?
- 1弦スタート
- 6弦スタート
- 5弦スタート
ではそれぞれどのような特徴があるか見ていきましょう。
1弦スタート
1弦からチューニングを開始します。
チューナーを使う場合は、1弦→2弦→3弦・・と6弦まで順番に合わせることが多いです。
高音弦側から順にチューニングして行くので、チューニング漏れを防ぐことができますね。
無意識に1弦からチューニングしている人も多いのではないでしょうか?
1弦スタートで思い出すのは、今はなき教則ビデオ(VHS)です。
ビデオテープはビデオデッキの微妙な再生速度の違いで音程が変わってしまうので、教則ビデオの中の講師と視聴者側が同じ基準で音を合わせてもズレが生じてしまいます。
なので講師は始めに自分のギターの開放弦を演奏し、チューニングを促すのが定番の流れでした。
確かジョー・パスやラリー・カールトンの教則ビデオがそうだったと思うのですが、彼らは始めに1弦の開放弦だけを弾いて「はい、これに合わせてね」でチューニングのパートが終了という簡潔さでした!(ビデオの尺の問題もあったのかもしれませんが)
1弦の開放弦を選んだのはたまたまかもですが、高音弦の方がスピーカーによらず可聴性が良いのも影響していると思います。
最近主流のクリップ型のチューナーでも6弦は音を拾いづらい時がありますが、高音側はすんなり音名を出してくれることが多いです。
1弦スタートは各弦を素早く合わせていけるメリットがありそうですね。
6弦スタート
6弦からチューニングを開始します。
チューナーを使う場合は、6弦→5弦→4弦・・と1弦まで順番に合わせることが多いです。
これも端っこの弦から順にチューニングして行くので、チューニング漏れを防げますね。
低音弦は1弦などの高音弦よりも弦が伸びにくく、チューニングが早く安定する傾向が経験的にあります。
なので6弦からチューニングしていくのは、理にかなってると言えるのではないでしょうか。
実際に比較したことはありませんが、特にトレモロユニットをつんだエレキギターでは低音弦からチューニングした方が早く安定する気がします。
5弦スタート
端っこではない5弦からチューニングを開始します。
チューナーを使う場合は、5弦→4弦→3弦・・と1弦まで順番に合わせてから最後に6弦を合わせることが多いです。
私はずっと5弦スタートでチューニングしています。
昔は5弦の音が出る音叉を基準にチューニングするしかなかったというのもありますが、良く考えると結構メリットが多いパターンだったりします。
まず、始めに合わせる5弦は「A」の音です。
単にアルファベットの最初の文字というだけでなく、A=440Hzなどピッチの基準を決めるのにもAの音が用いられています。
ギターはチューニングを完全に合わせることができない楽器なので、チューニングしているうちに逆に音がずれていってしまう可能性もあります。
基準の音を決めておいて相対的に合わせることでそれを回避できますが、その基準の音をAである5弦にするというわけです。
他の楽器とのアンサンブルの時も、5弦スタートでAを基準にすることでピッチがずれにくくなります。
また、6弦スタートの所でも書きましたが、太い弦はチューニングが早く安定するので基準の音に適しています。
6弦でも良いと言えば良いのですが、チューナーで安定して音が拾いづらかったり、ギターによってはポジションが上がるとシャープ気味になったり、強く押えても音がシャープしやすいなど基準にするには少しブレが大きい部分もあります。
細かい所だと・・今では聞く機会が少なくなりましたが時報の音がAの音です。
絶対音感がなくても、何となく合っているかずれているかが分かりやすい音を最初に合わせるという安心感もあります。
まとめ
実は今ご覧のこのホームページのタイトルは、5弦のAの音の周波数「110Hz」です!
ギターを弾く時に始めに出すことが多い音ということで命名したので、私はちょっと5弦スタートに肩入れしてしまっているのですが・・。
長い間同じ弦でスタートしてチューニングしているとその順番でのノウハウも色々とでてくると思うので、一概にどれがベストかを決めるのは難しいです。
ライブ前などの緊張する場面では効率よりも普段からやっている「慣れ」の方が大事なこともありますし・・。
もしかしたらチューナーが普及する前の世代は5弦スタート派が多くて、クリップチューナーが簡単に入手できるようになってからギターを始めた世代は1弦スタートか6弦スタートが多いのかもしれませんね!
そうすると、チューニングの仕方である程度世代を判別することができる??なんて思ったりもします。
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