音なら大きさのデシベルとか高さのヘルツじゃないの?となりそうですが、実は長さの特性も持っています。今回はギターの音の長さを計算してみようと思います!
音の長さ「波長」
いきなりですが音の長さは「波長」と呼ばれるものです。
最小限の情報だけで表すと、音の波のここからここの距離です。
この長さが分かったから何やねんとなりますが、もう少しだけ我慢して下さい・・。
例えば音の現象の1つに「回折」があります。
音が進んでいく方向に何かモノがあっても、回り込んで伝わって行く現象ですね。
この回折には波長が深く関係しています。
すなわち、波長よりも長いモノにさえぎられると音は回り込むことができません。
逆に障害物よりも波長の方が長いと音は弱まりながらも伝わります。
どうでしょうか、少しはギターの音の波長を計算するモチベーションが湧いてきたでしょうか?
まあ普通に弾く分にはあまり関係ない話なので・・ふーんと思いながら見て頂けると幸いです。
波長の計算
音の波長をλ(ラムダ)、音速をv、周波数をfとすると、波長は次の式で表されます。
ぱっと見は分かりづらいですが、周波数のfは周期Tの逆数(f=1/T)なので波長λは速度vに時間Tを掛けたものと考えるとスッと入ってくるかもしれません。。
とにかくこの式からギターの音の波長を計算してみましょう!
音速vは気温などによって変化しますが、ここでは室温で343[m/sec]とします。
1sec(1秒)の間に343m(メートル)進むということですね。
ちなみに時速に換算するとおよそ1235[km/h]になります。
後は周波数fが分かれば波長が求まりますね。
これについてはブログ「何ヘルツの基音を出しているかの計算方法」にまとめているので、興味のある方はご参照下さい。
高い音の例として1弦17フレットのAの音を考えると、周波数fは880[Hz]です。
式に代入すると
39センチメートルになりました。
思ったよりも長く感じますね。
でもちょっとした高さの壁で回折は防げそうです。
続いて低い音の例として6弦開放弦のEの音(周波数f=82.407[Hz])を考えます。
で4.16メートルになりました。
人間の身長を優に超えてますね!
ギターの全長を1[m]とすると、およそ4倍の長さです。
何かの本で見たのですが、ある楽器が出せる一番低い音は、その楽器の全長からそれほど大きくない波長の音という経験則があるそうです。
確かにチューニングを下げるにしても限界がありますし、あまりに太い弦を張ってもきちんとした音が出なさそうです。
楽器の構造自体を変えないといけないということですね。
ただ、何となくギターって低音に対しては凄く頑張っている印象があります。
7弦ギターなどの多弦ギターがあって、さらにそこから半音下げとかチューニングを下げることがあるので・・。
そんじゃそこらの壁では回折を防げないとても長~い波長の音!と言うと、7弦ギターのヘヴィーな音もまた違った印象になりますね。
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