先日、かなり昔に出版されたギターのコードブックを入手しました。見てみると基本的な押え方は現在と変わらないものの「これは押えられないだろう」というコードフォームや「案外使えるかも」といったアイデアが散見されました。抜粋してご紹介したいと思います。
どれくらい昔の本か?
そのコードブックは「実用的でわかりやすい100万人のギター・コード・ブック」というタイトルで、塚本茂という方が編者です。
何年に出た本かな?と奥付(発行年月日などの本自体の情報が書かれている部分)を探しましたが、見当たりません!
昔は奥付を入れなくてもOKだったのでしょうか?
ネットで検索してもまったくヒットしないのでかなり昔の本だと思われますが、どれくらい昔か分からないとイマイチですね・・。
そこで、かろうじで書かれていた本の値段の情報(300円!)から、どれくらい前に出版されたかを推定してみることにします。
B5判で全部で150ページくらいとまずまずのボリュームなので、現在では1000円くらいと仮定しましょう。
後はいつ物価が現在の300/1000=0.3倍くらいになっていたかが分かれば、本が出版された年が求められます。
偉そうに書いてますが経済の話はまるで分からないので、物価の件はネットで見つけたこちらの図を使わせてもらおうと思います。
図の説明によると「1950年に100円だった商品が2022年には約851円の価格をつけていることを意味する」そうです。
今回は、現在(2022年)の8.51×0.3倍の2.6くらいの年を探せばOKですね。
縦軸が2.6になるのは・・1970年くらいです。
何とおよそ50年前の本だと言うことが分かりました!!
激ムズコード
本がどれくらい古いか分かった所で、載っていた激ムズコードをまずご紹介したいと思います。
最初はこのD7です。
うーん、この形は初めてかも!
とっさに押えるには少し難しいストレッチです。
使い所はすぐに思いつきませんが、綺麗に響くコードですね。
続いてはCaug7です。
2パターン抜粋しましたがどちらも激ムズです。
和音的にギターのレギュラーチューニングと相性が悪く、真面目に押えようとするとどうしてもこうなってしまいますね・・。
オーギュメントは前後のコード進行の流れがある場合も多いので、これ単体だけを覚えても使い道はなさそうです。
次はB♭7ですが、開放弦を使っていないので横方向に移動して別のコードとしても使えます。
これに関しては押え方のイラストを見て下さい!
中指で薬指を補助しています。
弦ではなく自分の指を押えるのは初めてですね・・。
実際に弾いてみると、中指の補助なしに案外スッと押えられます。
人に寄るかもしれませんが、私は最初のD7の方が難しく感じました。
激ムズコード、最後はCmです。
恥ずかしながらこのフォームはきちんと音が出せませんでした。
まさに激ムズコードです。
どれか1音省略したりしても全く使える気がしません。。
Cmは3フレットをセーハするフォームを使うことが多いですが、ローコードに定番の押え方がないのはこうなってしまうから、ということですね。。
使えるコード
続いては実践で使えそうなコードフォームをいくつかご紹介します。
現在のコードブックにも載っていて私が知らないだけのものもあるかもしれませんが、お付き合い下さい。
まずはEです。
大胆にも1・2弦を開放にするフォーム!
2弦と3弦が同じBの音でぶつかっています。
これはアコギで鳴らしたら気持ちよさそうですね。
続いてC9とCm9です。
左がC9、右がCm9ですね。
人差し指の位置を変えるだけでメジャーとマイナーが変わるので、2つ一気に覚えられます。
このフォームは何といっても小指で押えている7度の音が良い味を出しています!
カッティングで使うとカッコ良さそう。
続いてはこちらです。
コードブックにはalt C7と書かれていますが、一般的にはC7(#11)と表記されるコードです。
#11の5弦ルートのフォームってパッと思いつかなかったのですが、これでバッチリです。
4弦5フレットを薬指で押えると慣れ親しんだC7になるので、習得も早いですね。
最後はCm11です。
1弦を除いたフォームはCm9としてお馴染みです。
単体でかなりカッコ良い響きになっています。
ジャズ等で多用されるII-VのIIの部分でも使える和音構成なので応用も効きそうです(ただしメジャーのII-Vだけでマイナーでは使えませんね)。
関連記事
意外と使えるコードフォーム6選
ギター本体の説明書には何が書かれている?
意外と人それぞれ?曲の覚え方の手順
衝撃的だったギターの奏法5選