高校生の時に習う(習った)こともあるであろう「微分」の概念。科学の分野では普通に利用されますが、ギターの上達度に関しても適用することができます。今回はその辺りを数式を使わずに、感覚的に説明してみたいと思います。
微分の例①
まず、何はともあれ絵を出します!
ギターの上達過程をイメージしたグラフです。
日が経つにつれてギターの能力が上がっていくという、理想的な状態を模擬しました。
途中でグラフが平坦になっている部分は「プラトー現象」を表現しています。
プラトー現象(高原現象)は、ある程度練習を重ねると思ったように成果が上がらなくなる現象のことです。
この辺は以前のブログ「ギターを継続して上達する方法」にまとめたので、そちらもご参照下さい。
それではここで「微分」に登場してもらいます!
細かいことは置いておいて、ギターの上達過程のグラフを微分するとどうなるのかと言うと・・グラフの横軸は時間で同じなのですが、縦軸がなんと「ギターの上達速度」になります。
どれくらいのスピードでギターが上達するかということですね。
ギターの上達速度が速いということは、短期間でギターが上手く弾けるようになるということです。
しばらく見ない間にギタープレイが一気に洗練されたって人いますよね!
あんな感じのうらやましい状態です。
逆にギターの上達速度が遅いということは、伸び悩んでいるってことになります。
さて、実際に微分した後のグラフはどのようになるでしょうか?
少し間を空けてから答えを出すので、ぜひ形を想像してから見てみて下さい。
正解はこのようになります!
なんかお尻みたいな形になりました・・。
これだけではよく分かりませんが、最初のグラフと重ねると少し見えてきます。
能力のグラフが平坦になっている所は、上達速度がゼロぎりぎりまで下がっています。
逆に、能力が上昇している所は、上達速度が急激に上がっているという感じです。
※2つのグラフの縦軸は意味合いが異なる(いわゆる2軸グラフ)なので、そこだけご注意下さい。
これを見ると、プラトー現象の影響で上達速度が振動するような形になっていることが分かりますね。
微分の例②
さて微分したらどうなるかが何となく分かりましたが、まだ「ふーん、そうなんだ」って感じかもしれません。
なので、もう一つ例を出してみたいと思います。
今度はしばらくサボった後に、慌てて練習を再開したケースを模擬しました。
- プラトー現象から抜け出せないまま弾く能力が低下する
- 同じ練習をして前の能力くらいまで戻る
- あまり上達しなくなる
と言った感じのイメージです。
このグラフを微分すると・・。
こんな感じです。
プラトー現象の所で上達速度が下がって行くのは最初に挙げたケースと同じなのですが、実は凄い違いがあるんです。
ちょっと見えにくいですが、グラフの灰色の横線が縦軸がゼロの位置を表しています。
分かりやすくするとこんな感じです。
何と上達速度がマイナスになっています!
これはつまり、以前よりも能力が下がってしまっていることを意味しています。
上達過程のグラフに戻ると、この辺りですね。
赤い点線で示した辺りが、上達速度がマイナスの領域になります。
ギターが弾けない理由は様々あって仕方がないこともありますが、何て恐ろしい状況でしょうか!
まとめ
私が小さいながらもギター教室をやっていて思うのは、これらの微分した後の上達速度が大事なのではないかということです。
ギターの上手い下手は人それぞれ全く違いますし、音楽ジャンルやテクニックの得手・不得手などもあるので比較するのはあまり意味がありません。
しかし、微分した後のギターの上達速度だけは何とか落とさないようにするのがギター教室の(独学の場合は自分の)重要な役割なのではないでしょうか。
上達速度は先に示したように振動しますが、ゼロ以下に下がらないように気を配ります。
これは練習不足以外にも、マンネリ化や手のケガなどを防ぐのも重要になってきますね・・。
そして、上達速度の下降はなるべく緩やかに抑えて上昇に転じるようにアドバイスし、次のピークをなるべく高く持って行くようにします。
具体的にどうすれば良いか?を考えるには、様々な経験やノウハウが必要になってきそうで難しいですね。。
しかし、今回のブログのような感覚的な絵での理解だけでも、何となくスッキリした感じがしませんか?
ギターの練習や「微分」に対しても、少しでもポジティブなイメージが湧いてもらえるとうれしいです。
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