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アルバム単位で音楽を聴く意味

ネットの通信速度の向上やサブスクサービスの台頭によって、音楽の聴き方が大きく変わってきました。これまで主であった「アルバム」を通して音楽を聴くことが少なくなった今、その意義をもう一度考えてみたいと思います。

始めに断っておくと、過去のブログでも書いている通り私自身がサブスクを良く利用しています。

 

音楽を聴く時は半分以上の割合で利用している感じですね。

 

音楽の作り手側が大変だったりシステム上の問題はあると思いますが、これだけ浸透しているということは時代に即したサービスなんでしょう・・。

 

なので「きちんとアルバムを入手して聴かないと駄目」みたいな懐古主義に走りたいのではなく、より音楽を楽しむためにそれぞれの良い所を探して行こう!というのが今回のブログの主旨になります。

 

 

 

アルバムにしたって、音楽を作る側が売りやすい単位(まとまり)であるとか、それをもとにライブツアーをしやすいとか、芸術面以外での事情があると思います。

 

しかしLPレコードの発売以降長い間親しまれてきた鑑賞方法なので、それにしかない良さがあるはずです。

 

次からはアルバム単位で音楽を聴く意味、もとい魅力を1つずつ挙げていきたいと思います。

 

そもそもサブスクでもアルバム単位で聴くことが出来るので、気になる所があったらぜひ試してみて下さい!

複数の曲が収録されているからこその魅力

 

アルバムを通して聴くと、1曲単位では味わえない面白さが新たに出てきます。

 

例えば荘厳なインスト曲で盛り上げておいて2曲目に繋がるとか、アルバムの中間地点にバラードがあって緩急を楽しめるとか、最後の曲が終わったと思ったら無音の後にボーナストラック的な曲が入っている等々・・。

 

複数の曲が連続して再生されることによって、様々なドラマが生まれてきますね。

 

 

 

曲のテンポだけを考えても、ゆっくりした曲のあとにスピードチューンが来たら(1曲だけ聴く時より)ものすごく速く感じることは容易に想像できます。

 

他の要素(歌詞の内容や曲の雰囲気、楽器構成など・・)を加味すると、それこそ様々な組み合わせが考えられますね。

 

アルバムはかならずしも1人のアーティストやバンドの曲だけが収録されている訳ではなく、オムニバスのようなものも存在します。

 

しかしそれらはどうであれ、構成や曲順が熟考されてアルバムは作られているはずです。

 

 

 

コンセプト・アルバムという一定のテーマで内容が統一されているアルバムもありますね。

 

こちらはさらにアルバム単位での鑑賞が推奨される形式です。

 

面白い所では、イタリアのラプソディー・オブ・ファイア(旧ラプソディー)というメタルバンドは、複数枚のアルバムを通じてまとまったストーリーを展開する形をとっています!

 

ぜひとも映画のように最初から最後までを通して楽しみたい所ですね。

シングル曲にはないアーティストの魅力

 

シングル曲はニアリーイコールそのアーティストの有名曲と言っても良いと思います。

 

しかし、どうしても多くの人に訴求するような曲がシングル曲になるので、それを作ったアーティストの本来の魅力が薄れていることもあります。

 

パッと思い当たる所では、バンドのMr.Bigは「To Be With You」というバラード曲がヒットしたので一般にはそのイメージが強いですが、それは彼らの魅力のほんの一部に過ぎません。

 

 

 

アルバムを聴くと、世間一般のイメージではなく本来のアーティストの良さが分かります。

 

もちろん商売なので、完全にアーティストがやりたいようにやっている訳ではなく様々な人の思惑が交錯して作品ができていると思います。

 

しかし、1曲で判断するよりはよっぽど奥深くそのアーティストのことを知れるのではないでしょうか。

 

 

 

シングル曲でない所謂アルバム曲では、シングルでは絶対に作れないような曲も収録できます。

 

例えば肩の力が抜けたような少しふざけた曲とか、メインボーカリストではないバンドメンバーが歌う曲、大衆受けしなさそうな実験的な曲などですね・・。

 

これらが含まれていることで、シングルだけでは味わえないそのアーティストの様々な側面が見えてきます。

 

シングル曲が気に入ったアーティストがいたら次はアルバムを聴いてみるというのは、今はどうか分かりませんが昔は誰もが自然に踏んでいた手順ですね。

その時の雰囲気が詰まっている

 

アルバムを聴くと、それが制作された時代や場所に立ち会えているような感覚になれます。

 

これは、映画を見ててその世界に没入する感じと似ているかもしれません・・。

 

1曲だけ聴いても空気感が分からないこともないですが、複数の曲を当時に決められた構成で聴くからこそよりその感覚が強くなるのではないでしょうか。

 

サウンドの共通点からその時代の流行が分かったり、アーティストが方向性を変えようとしているなんてことも何となく分かってきたりして面白いです。

貴重な情報源

 

現物のCDアルバムやレコードには、大抵ブックレットやライナーノーツが付属しています。

 

今や曲名や歌詞なんかはネットで検索したらすぐ出てきますが、それ以上の情報は有名なアルバムのものしか見つけられないことも多いです。

 

例えば作詞、作曲、編曲は誰がしたか、プロデューサーは誰か、どんな楽器編成なのか、いつ録音されたか、等ですね。

 

ギタリスト目線だと、曲の中でギターを担当している人を知りたくなりがちです・・。

 

実物のアルバムのブックレットにはその辺りまできちんとクレジットされていることが多いので非常に貴重です。

 

 

 

洋楽の日本盤ならライナーノーツで丁寧な解説がされていたり、プロの翻訳家の方の訳詞が載っていたりとさらに情報が盛り沢山ですね。

 

中には表紙だけで後はペラッペラの廉価盤もあるので、情報量はピンキリと言えばピンキリなのですが・・。

 

「アルバム単位で聴く」というテーマからは反れてしまいましたが、現物のアルバムの魅力の1つとしてブックレットやライナーノーツを挙げさせてもらいました。

さいごに

 

私はCDやテープ・MDで音楽を聴いていた世代ですが、途中からCDアルバムを通して聴くのが大変になってきた印象があります。

 

これはおそらく、CDアルバムの収録時間がどんどん長くなってきたからですね・・。

 

CDの出始めはレコードで発売されていたものをCD化したアルバムも多く、収録時間も40分程度までのものが沢山あったと思います。

 

ところがCDだけでアルバムが発売されるようになると60分とか、70分代のCDの限界ギリギリまでのものがザラに出てくるようになりました。

 

 

 

おそらく何曲以上収録しないと駄目とか、何分以上のボリュームでないと駄目とか大人の事情も色々絡んでいると思います。。

 

好きなアーティストのアルバムの収録時間が増えるのはうれしいですが、そのアルバムを通して聴けるかと言われるとちょっと別問題ですね。

 

1時間、音楽だけを集中して聴くのはなかなか大変です。

 

 

 

その点、レコードはLP(Long Playing)で収録時間が30分から40分くらい。

 

しかも途中でA面とB面を入れ替える必要があるので、再生が続いている時間は60分収録のCDにくらべて1/4程にも短くなります。

 

これくらいの時間が集中するのに丁度良いのかもしれません・・。

 

 

 

何が言いたいのかというと、最近のアルバムは一気に通して聴くのが大変なので、適度にストップしてそれまでの展開を反芻したり、日を改めて2回に分けて聴いたりといったことも有効ではないかということです。

 

収録時間が長くなるほど、後半の曲の印象が薄いのはたぶんあるあるだと思うので・・。

 

音楽には様々な楽しみ方があると思いますが、そんな感じでアルバムとも上手に付き合っていけたらなと思う次第です。

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