録画したテレビ番組が溜まっていったり、次々と追加されるYouTubeのコンテンツを消費できなかったり・・最近はタイパなんて言葉があるくらいなので、複数のことを一度にやってしまいたいという欲求が昔よりも強くなっている気がします。ではテレビを見ながらギターを練習するのはどうなのか?少し考えてみたいと思います。
結論から言うと、テレビ(または動画)を見ながら練習するのは「完全になしではない」です。
使いようによっては役に立つかもしれないというニュアンスですね。。
ただ、基本的には演奏音だけが聴こえるような集中できる環境の方が、練習の効果が上がるのは間違いないです。
私も先日、テレビを見ながら練習することがありました。
丁度サッカーのワールドカップで日本代表が強豪国相手に奮闘している中継をやっていて、これはもう見るしかないだろうと・・。
せっかくなので練習しながらということで、結構長い時間テレビを見ながら曲を反復練習していたのですが、ほとんど効果がありませんでした(前よりうまく弾けるようになっていない)。
サッカーの方にもいまいち集中できず、どんな試合だったかほとんど覚えていません。
まさに二兎追うものは一兎も得ず状態です。
どうしてテレビを見ながらだと練習の効果がないかというと、やはり自分の出した音をきちんと聴いていないために演奏にフィードバックできない点が大きいと思います。
派手なミスなら気付くかもしれませんが、リズム良く弾けているかとか、フレーズの繋がりはどうかとか、音に表情が付けられているかとか・・少し細かい部分になるとテレビにいっている意識では十分に把握できず、あまり良くない演奏を繰り返し練習している可能性があります。
良くない演奏を反復しても、良くない演奏が確実にできるようになるだけですよね・・。
そういった意味では、機械的な運指練習などはまだテレビと併用できるかもしれません。
例えばよくあるクロマチック(半音)で上がったり下がったりするやつですね。
音楽的にどうといったフレーズではなく、手の運動的な部分をきたえるための練習なので、普通に曲を弾くよりは効果がありそうです。
ただこれもテレビなしの方がより効果はあるとは思いますが・・。
テレビと練習の併用を無理矢理考えるなら「テレビを楽しみながら」ではなく「テレビの映像や音を雑音と捉える」ような使い方はできるかもしれません。
普段は集中できる静かな場所で練習できたとしても、本番で同じような環境で演奏できることってあまりないですよね。
自分達の出している音と別の音や、人の話し声がすることは十分にあり得ます。
その雑踏的な音をテレビで再現するというわけです!
まあ公園などで弾いたらテレビの電気代をかけずにできることですが・・。
テレビはチャンネルを変えられては困るので、とにかく視聴者を惹き付けようと様々な工夫がこらされています。
なのでテレビを無視して自分が思うように演奏するのは、ある意味良い訓練になりそうです。
どうしてもテレビを見ながら練習したいなら、テレビの音を消してしまったら良いかもしれません。
最近は音が聴こえづらい環境でも内容が把握できるように、随時テロップが表示されることも多いです。
編集でテロップが出てなくても、テレビやYouTubeのモードを切り替えるとすべての音声が字幕で表示される機能もありますね。
まあそこまでしてテレビを見なくてもという意見もあると思いますが・・この状況は意外と面白いかもしれません。
何故ならテレビにBGMがないので、自分の演奏でそれを付けることができるからです!
別に即興で曲を弾くみたいな大層なことをしなくても、テレビの画面に合うコードを考えて弾いてみたり、ちょっとした効果音を入れてみたりするだけでも良さそうです。
これこそテレビも(一応)見れて、創造力もきたえられるという一石二鳥の練習方法です!
一方、自分の曲を作っている時やカバー曲のアレンジを考えている時など、クリエイティブな作業をする時はテレビは「なし」です。
自分があれこれ考えている以外の音が鳴っていると、もう少しで出そうなアイデアもしぼんでしまいがちです。
最近はテレワークで比較的自由な環境で仕事ができる方も多いと思いますが、頭を使って物事を解決するような時は結局無音(もしくは耳栓でシャットアウト)で作業するのが一番効率が良いと感じられているのではないでしょうか?
もちろん、手順が決まっている繰り返し作業はこの限りではありません(先の機械的な運指練習なら併用できるかもという話と少し似てますね)。
著名なギターヒーロー(確かリッチー・ブラックモア)がどこかのインタビューで「テレビを見ているくらいで弾けなくなるようでは駄目だ。」みたいなことを語っていた記憶があります。
リッチーは別にテレビを見ながら練習しても良いと言いたいのではなく、それくらいで自分のプレイに影響が出てはいけないと言いたかったんでしょう。
同じ考え方をした所でこちらの状況が良くなるとは限りませんが・・数少ないトッププレイヤーを少し身近に感じられる話です。
ここまでテレビとギターの練習について書いてきました。
脈絡のない文章に、最後までお付き合い頂きありがとうございました。
結局物は使いようで、ギターのレッスン動画なら当然ギターを弾きながら見た方が良いでしょうし、テレビをメインで見つつ気になったBGMだけギターを弾いてコピーするなんてこともできます。
何にせよ、テレビや動画をコンテンツの山に埋もれることなく楽しんで、それとは別にギターの練習もこなせるようにうまく付き合っていきたい所ですね。
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