· 

ベテランプレイヤーの楽器への取り組み方にガッカリした話

一生懸命に楽器に取り組んでいる人を見て刺激を受けることってありますよね。自分が練習をサボりがちな時でも、その人を見習ってまた頑張ろうという気持ちになります。しかし最近、見習いたいと思っていたプレイヤーにガッカリした出来事がありました・・。

そのプレイヤーはギターではない少しマニアックな楽器を演奏しています。

 

アマチュアですが同じ楽器を何十年も続けており、定期的に演奏会などにも出演している感じです。

 

演奏会などの本番が近くなると鬼神のように練習するので、かねてからすごいな~と思っていました。

 

 

 

あるとき、そのプレイヤーが旅行に行くことになりました。

 

旅行は楽器は持参せずに行く完全にプライベートなものです。

 

もちろん行くこと自体は私は意見する立場ではないので、気を付けて楽しんできてほしいとその話を聞いた時は思いました。

 

 

 

しかし旅行が数日後に近づいた時に事件が起こります・・。

 

別に旅行の準備や他のことで忙しいとかではないのに、一切楽器を練習しなくなったんです!

 

コツコツと続けてきた楽器を、なぜそのタイミングで一旦休止状態にするのか?

 

始めはまったく意味が分かりませんでした。

 

 

 

考えてみるとおそらくこんな風な思考になっていると思います。

 

「さあもうすぐ楽しみな旅行だ。演奏会もまだまだ先だし気楽だな。」

 

「そういえば、今練習しても旅行に行ったら腕が少し鈍るな・・。」

 

「どうせ帰ってきてから少しリハビリすることになるし、しばらく練習するのはやめとこう!」

 

 

 

あくまで想像ですが、実際に旅行前の数日間はテレビを見たりしてのんびり過ごしている感じだったので、間違いないと思います。

 

もちろん、別にテレビを見るのが悪いとかではではありません。

 

本番がせまっておらず心に余裕がある時期(数日後には旅行ですし・・)なので、普段できない様々な練習ができる貴重な時間のはず。

 

そんな貴重な時間を、どうして長年取り組んできた楽器に使おうとしないのか・・。

 

自分の楽しみだけに演奏しているなら別に良いですが、楽器歴が長い上に人に聴いてもらう場がある人間としてはモチベーションが低いように感じます。

 

そんなことを考えていると、これまであったパズルのピースが組み合わさったような感覚になりました。

 

このプレイヤーは、本番の演奏会でうまく弾けさえすれば良いというスタンスなのかもしれません!

 

 

 

旅行の数日前の出来事もそうですが、良く考えたら普段の練習でもそのスタンスが垣間見られてました。

 

先に「演奏会などの本番が近くなると鬼神のように練習する」と書きましたが、そうでないときの練習はまあまあムラがあります。

 

一応毎日コンスタントに練習しようとするのですが、少し外出する用事があったり、少し体調が悪くなったら練習はしていないようです。

 

つまり、毎日コツコツと積み重ねていって演奏を仕上げて行くタイプではないため、本番前に高負荷の練習をせざるを得ない状況になっています。

 

結果的には何とか演奏会をこなせるかもしれませんが、本番前の追い込みは精神的にも余裕がなくなりますしケガをするリスクもあるので、あまり推奨される形ではないと思います。

 

 

 

ここまでの内容やそのプレイヤーの話などから判断して、練習の大半は演奏会で弾くアンサンブルに関するもののようです。

 

演奏会や曲の段取りをする人がいて、その人から降りてきた譜面を見てそれを弾けるように練習するといった感じ。

 

演奏内容はそのプレイヤーがやりたい内容かもしれませんが、自分が曲を決めたわけでもなければ編曲に参加したわけでもありません。

 

 

 

譜面をもらってその通りに演奏するのは別に良くあるパターンだと思います。

 

しかし本番前に一夜漬けのような練習をしていることと組み合わさると、あることが思い出されました。

 

それは・・学生のころのテスト勉強です!

 

「期末テストはまだまだだから今は勉強しなくても大丈夫。」

 

「今日はちょっと調子が悪いから、明日からまた頑張ろう。」

 

「あ、一週間後にテストだ!ちゃんと勉強しないと!」

 

こんな感じのことを大人の、しかもベテランのプレイヤーがループしているような印象を受けました。

 

 

 

演奏会の内容にこのプレイヤーが関与していないのも、テストとの類似性を感じます。

 

テストに出る内容を丸暗記して一夜漬けのような形で覚える。。

 

これではその場は何とかしのげるものの、結局身に付いていることはあまりないという状況になってしまいます。

 

楽器を演奏するのは一見能動的な表現のように見えますが、実は仕組みの中で受動的に成り立っているだけではないか?というふうに思ってしまいました。

 

 

 

長く楽器をやっているとより豊かで音楽的な演奏ができるようになりたいと常日頃から考えていると思います。

 

そのプレイヤーは私より長い楽器歴があります。

 

なのでそんな人からしか得られないものがあるのでは?みたいなことも考えて見ていたので、余計に落差を感じたのかもしれません。

 

以上、(私を含めた)勉強ができないやつのテスト勉強みたいなことを繰り返しているベテランのプレイヤーにガッカリしたという話でした!

 

(しかし逆に考えると、本番前に必死に練習できるからこそ長い間楽器を続けられているのかもとも思いますね!)

関連記事

評判の良いリペアショップで嫌な思いをした話


昔の練習内容を思い返して分かること



演奏者と観客を分断する大きな壁「譜面台」のやめ方


演奏に集中する大事さを数字で表す