優れた演奏をするプレイヤーは、普段から音楽を聴くことと楽器を弾くことの両方を行っています。では、それらの時間の大小関係はどうなっているのでしょうか?式を使って端的にまとめてみたいと思います。
聴く時間>>弾く時間
見出しタイトルでいきなり>>という見慣れない記号が出てきました・・。
これは「聴く時間が 弾く時間より 非常に大きい(多い)」という意味です。
数式的には様々な読み方があるようですが、私は「聴く時間 大なり大なり 弾く時間」と読んでいます。
そういえば、今回は便宜上、時間という言葉を使っていますが、ニュアンスとしては少し微妙かもしれません。。
例えばどれだけ音楽が流れていても、聞き流していればその辺の雑音と変わりありません。
特に目的なく楽器をダラダラ弾いているだけなら、あまり有意義な時間とは言えません。
時間も1つの尺度ではありますが、内容の密度(濃さ)も重要になってきます。
「聴く時間」や「弾く時間」には、その辺りの意味合いも含んでいると考えて、読んで頂けると助かります!
聴く時間>>弾く時間 の関係は、楽器を演奏しない人に当てはまりますね。
音楽好きな人はもちろんですが、音楽にそれほど興味がない人でも、テレビのBGMやお店の有線放送などで様々な曲を聴いていると思います。
世の中には楽器を演奏しない人の方が多いので、大半がこの関係ということになりそうです。
普通は別に 聴く時間>>弾く時間 で何の問題もありませんが、楽器を演奏する人間がこれだと少し話が変わってきます。
聴いてばっかりで、楽器をほとんど触ってないことになりますもんね・・。
色々な音楽から刺激を受けているものの、自分で表現したり、表現をするための練習をしていないことになってしまいます。
言葉は悪いですが、プレイヤーとしては頭でっかちな感じですね。。
逆に、音楽をレビューする側だと 聴く時間>>弾く時間 の人はうってつけかもしれません。
大量の音楽があふれている現在では、好きなジャンルの新譜を追うだけでも大変な作業です。
他のことに優先して、様々な音楽を継続して聴くことが出来る人は、それだけで貴重な存在だと思います。
私自身、個人で運営されている音楽サイトのレビューを見て、ハマったバンドやギタリストも多いです!
聴く時間<<弾く時間
見出しタイトルの<<は最初に出てきた>>の反対で「小なり小なり」です。
「聴く時間が 弾く時間より 非常に小さい(少ない)」ということですね。
では、式の意味は分かったものの、こんなケースは実際にありえるのでしょうか!?
個人的には、伝統的な音楽をやっている人で 聴く時間<<弾く時間 のケースをたまに見かけます。
自分やその楽器の師匠の演奏以外はほとんど聴かずに、ひたすら腕を磨いている感じですね。
これは、録音が残っていないような古い曲を、楽譜(やそれに該当するもの)をもとに演奏することが多いのが一因かもしれません。
また、楽譜に残された作者の意図を、忠実に再現することに注力するからかもしれません。
聴く時間<<弾く時間 だと1つのことで尖った演奏ができそうですし、非常にストイックな印象もあります。
反面、自分の演奏する音楽以外はあまり知らないので、新しいものが生まれることが少なく、既存の形態からの変化も少ないです。
定型の演奏パターン以外だと、急に何を弾いたら良いか分からなくなるなど、融通が効かないこともあります。
真面目な人ほどこの「演奏過多」の状態に陥りやすい気がします。
確かに純血は貴重かもしれませんが、とても脆いところがネックです。。
たまには、完全に守備範囲外の音楽も聴いて取り入れてみたら、ケミストリーが起こるのでは?と思ってしまいます。
聴く時間>弾く時間 と 聴く時間<弾く時間
見出しタイトルの>はいわゆる「大なり」、<は「小なり」ですね。
前者は「聴く時間が 弾く時間よりも 大きい(多い)」、後者は「聴く時間が 弾く時間よりも 小さい(少ない)」ことを表しています。
不等号(>や<)が逆転していますが、このあたりは誤差範囲かなと言う気がしてます。
つまり 聴く時間≒弾く時間 と表せる感じですね(≒はニアリーイコールで、ほとんど等しいという意味です)。
楽器のプレイヤーとしては、この関係が丁度良さそうな気がします。
たくさんの音楽を吸収する時期もあるでしょうし、目標に向かった創作や練習で楽器を弾く時間が多くなる時もある・・。
状況に応じて聴く時間と弾く時間の大小関係が変わるものの、どちらもおろそかにしていないイメージでしょうか。
これまで見てしてきたように、聴く時間と弾く時間のどちらかが極端に多くても、楽器のプレイヤーとしては少し特殊なケースに行き着くことになります。
言い換えると、普通に楽器を弾くなら、インプットとアウトプットのバランスが取れていた方が良い、と表現できるでしょうか。
バランスが崩れているかもと思われる方は、一度いつもと違った方向に注力してみると良いかもしれません。
聴く時間と弾く時間のバランスさえ取れてしまえば、後は多くの時間を(濃い密度で)聴く時間と弾く時間の両方に掛けられれば、より多くの人の琴線に触れる演奏ができるようになるはずです。
勉強や仕事や家庭の事情などで、音楽関係の時間の捻出が難しいことも多いかと思います。
しかしこの辺りも、>>や<<の大小関係にならないように、うまくバランスを取って行きたいですね。
そうやって、すべてのことが円滑に進んでさらに相乗効果が得られれば、こんなに素晴らしいことはありません!
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