ギター1本で気軽に始められる「ソロギター」。挑戦している人も多いのではないでしょうか。しかし、1人で音楽のすべての要素を表現するという特性上、1曲をマスターするのにも大変な労力が掛かります。本番で満足のいく演奏をするためには、どれくらいの準備期間が必要なのでしょうか?
ライブやイベント用のソロギター曲
今回は、ソロギターを披露する本番の日付が決まっているとして、逆算して準備期間を算出してみたいと思います。
一体、どれくらい前から取り組めば、本番を成功に導けるのでしょうか??
もちろん、曲やアレンジの難易度によって準備期間は変わってくると思うので、あくまでも概算ということでご容赦下さい・・。
まず、本番の2週間前が1つのマイルストーンになると思います。
この時点で、演奏予定の曲がおおよそ仕上がっている必要があります。
ここでの「仕上がっている」は、曲が飛んだり大きなミスが出たりせずに、本番と同程度のテンポで弾き切れるくらいのイメージです。
経験上、本番の2週間前にまだまだ不安が残っているような曲は、そこから頑張って練習しても失敗することが多いです・・。
そういう意味では、楽器演奏の本番は「一夜漬けで暗記したらまだ何とかなるテスト」というよりも、「不確定要素が沢山ある中で、実力を出し切る必要があるスポーツ」と同じような感覚かもしれません。
もちろん、本番までの残り2週間も、毎日その曲の練習を続けます。
曲を体に染み込ませつつ、細部の微調整や気持ちの込め方など最終確認をする感じですね。
曲以外の部分、例えば演奏前にカポを付ける動作であったり、エフェクターのセッティングの変更だったりの流れも意識的に確認します。
本番で演奏自体は何とかなっても、他の部分でミスってしまうのはあるあるです・・。
本番2週間前がこのような状態なので、曲のアレンジやコピーはそれよりさらに1~2週間前に終わっているのが理想です。
つまり、本番の4週間前には「弾く」ことに注力できる状態にしておきます。
本番で楽譜を見ながら弾く場合以外は、この時点で暗譜ができていると理想的ですね。
さらに手前、アレンジやコピーに要する期間は、ここではざっくり1ヶ月としておきます。
難易度が少し高めの曲に、余裕を持ってじっくり取り組むと大体これくらいかと。。
さあ、これまで挙げた本番までの準備期間を合計すると・・大体2ヶ月前には曲に取り掛かっておく必要があるということになりました。
この期間を長いと思われるでしょうか?それとも短いと思われるでしょうか?
1つ言えるのは、ソロギターはバンドで演奏する時のように、メンバーのスケジュールを合わせて打ち合わせをしてスタジオ練習に入って・・というステップがありません
比較的自分のペースで進められるので、しっかりと準備期間を意識して必要なことをこなしていけば、本番でも満足のいく演奏が出来るのではないでしょうか。
フィンガーピッキングデイ用のソロギター曲
ここからは少し番外編なのですが・・ソロギターの祭典とも言えるフィンガーピッキングデイ(以下FPDと書きます)というコンテストで演奏する曲の、準備期間について書いてみたいと思います。
私は優勝はおろか何の賞も取ったことがありませんが、コンテスト用の曲を準備した数だけはトップクラスだと思います笑
FPDの予選である音源審査の応募の締め切りは、例年12月20日くらいのことが多いです。
このブログを書いているのは2023年11月29日・・すでに応募曲の録音(カバーとオリジナルの2曲)は済んでいるのですが、それ以外がまだなので急がないといけません!
録音してあるのはもちろん、来年2024年3月に開催のFPD2024のための曲ですが、実はさらに次の年のFPD2025用の曲の準備も始めています(というか大分進んでいます)。
FPD2025に応募予定のカバー曲に関しては、曲は決まっており現在絶賛アレンジ中です。
すでに全体の7割くらいが完成しているくらいの進捗になってます。
もう1曲のオリジナル曲に関しては、すでに完成していて、もう何回かライブで演奏しています。
まだ開催されるかも分らない1年と数ヶ月後のコンテストに向けて、ちょっと気が早いと思われるかもしれませんが・・。
これほど先行して曲を準備している理由としては、FPDの決勝(ライブ審査)の演奏条件による所が大きいです。
フィンガーピッキングのスタイルのみ(フラットピックはダメ)で、さらにギターの生音をマイク集音するという条件ですね。
当たり前ですが、普段の演奏ではこの条件を守る必要がないので、エフェクターを使ったり、誰かと一緒に演奏したり、フラットピッキングとフィンガーピッキングを組み合わせたり・・と様々な選択肢の中から最善のものを選ぶことができます。
たまたまFPDの条件に一致するようなアレンジができることもあるかもしれませんが、かなり確率は低くなります。。
意識的に縛りを設けて、FPD用に作曲・アレンジする必要があるので、かなり前倒しで作業をしているという感じです。
また、もしFPD決勝に出られたとして、本番のステージは独特の緊張感が漂っており、ちょっと練習したくらいでは全く満足のいく演奏ができません!
優れたギタリストならどうか分かりませんが、私は1年くらい掛けて普段のライブから弾き込んで行って、ようやくFPD決勝のステージでそれなりに弾けるという状態です。
なので年単位の準備期間が必要な感じですね・・。
ただ、別にFPDを特別視して作曲・アレンジをしている訳ではありません(少しは意識しますが・・)。
そもそもソロギタースタイル自体が、ゲームで言う縛りプレイみたいなものなので、それがFPD用にさらに縛られているという感覚でやってます。
縛りがあった方が、逆に面白くなったり新たな発見があったりしますよね!
FPD縛りでアレンジした曲は、たとえライブ中に停電しても、問題なくプレイできたりします笑
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