昔、CD屋さんでワゴン販売されていた「ROCK SERIES」をご存知でしょうか?ジミヘンやクラプトンなどの世界的ミュージシャンのCDが、新品で1枚500円という破格の安さだったのですが・・。ネットで調べても情報が出てこないので、個人的な思い出話を含めて、この「ROCK SERIES」について書いてみます。
アイキャッチ画像としても貼りましたが、「ROCK SERIES」はこのようなジャケットデザインで統一された、コンピレーションアルバムです。
このジミヘンの場合だと、背表紙に「JIMI HENDRIX ROCK SERIES」と書かれています。
アーティストが変わっても「誰々 ROCK SERIES」で背表紙のタイトルが統一されているので、私が勝手に「ROCK SERIES」と呼んでる次第です・・。
「ROCK SERIES」は今から25年前くらいに、どこにでもある普通の町のCD屋さんで売られていました。
当時は当然サブスクなど無く、気になる音源を聴くにはCDを購入orレンタルするか、友人に借りるくらいしか方法がありませんでした。
CDは3000円とかするので、1枚買ったらその月のお小遣いがほぼ吹っ飛んでしまいます・・。
レンタルするとまだ安価ですが、CDをテープにダビングしたものしか残らないため(MDやiTunesはまだない)、やはり現物のCDが欲しくなってきます。
そんな時に見つけたのが、「ROCK SERIES」です。
うろ覚えですが、確か1枚500円という破格のお値段!
3000円あれば6枚買えますね。。
しかも、ジミヘンやクラプトン、サンタナなど、ギター雑誌では良く見るものの、実際にきちんと音源を聞いたことの無いアーティストが揃っていました。
最終的には、累計で8枚ほどROCK SERIESを購入したと思います。
気になる収録曲ですが、ジミヘンの場合だと次のようになっています。
1. フリー・スピリット
2. ユー・ガット・イット
3. サイコ
4. ピープルズ・ピープルズ
5. カム・オン・ベイビー(パート1)
(中略)
17. サスピシャス
18. アウトサイド・ウーマン・ブルース
19. グッバイ・ベシー・メイ
未だにこのCD以外では、聴いたことのない曲ばかり!
有名曲は1つも入っていません・・。
しかしCDの中では非凡なギタープレイが炸裂しているので、ジミヘンであることは間違いなさそうです。
同じくエリック・クラプトンのROCK SERIESも持っていましたが、こちらもメジャーな曲は1つも入っていませんでした・・。
今調べてみると、ヤードバーズのクラプトン在籍時代の曲が多く収録されているようです。
確かにクラプトンが弾いているのに違いはありませんが・・この事実を知っていたら買っていたか微妙な所です笑
ただ、録音年代が古く、ギタープレイもまだシンプルなものが多いので、コピーし易いというメリットがありました。
ギターソロを初めてうまく耳コピできたのが、このクラプトンのROCK SERIESに収録されている「A Certain Girl」のソロだったんです。
メジャーペンタとマイナーペンタをミックスした、ペンタトニックのお手本のようなプレイで、今でもよく覚えています。
他に、サンタナのROCK SERIESもありました(何故かサンタナだけvol.1とvol.2の2枚があった)。
長尺のジャムセッションのような曲が多く、今思えば聴きやすさのかけらもない内容です。。
一方でシンプルな進行の曲が多かったので、こちらはCDをかけながら自分もギターを弾いて合わせるという練習(遊び)をやってました。
後、印象に残っているのは、ブライアン・セッツァー率いるストレイ・キャッツのROCK SERIESですね。
未だに何年にどこで行われたか分からないライブ音源が収録されているのですが、これがストレイ・キャッツの中でも1・2位を争うくらいカッコ良く、お気に入りのアルバムです。
ROCK SERIESでストレイ・キャッツを知ったおかげで、ストレイ・キャッツのスタジオアルバムや、ブライアン・セッツァー・オーケストラ等のCDも、安心して買えるようになりました。
思い出話はこれくらいにして、他に所有しているROCK SERIESを、ざっとご紹介します。
まずはこちら。
チャック・ベリーです。
ジャケット写真の加工が、往年のブルーノートレーベルのジャケットのようでカッコ良いです。
と言うか、ブルーノートのデザインをROCK SERIESが取り入れた??
ブルーノートのジャケットは、例えばこんな感じのやつですね。
チャック・ベリーのROCK SERIESでは、当時の私も知っていた「ジョニー・B・グッド」などの有名曲が網羅されていました。
有名曲が一切ない、ジミヘンやクラプトンのROCK SERIESとの違いは、一体何なのでしょうか・・。
もしかしたら、権利が切れた曲を使って、ROCK SERIESとしてまとめているのかもしれませんね。
ジミヘンのデビュー前のセッション音源や、クラプトンの活動初期のヤードバーズ時代の曲が収録されていると考えると、辻褄は合いそうです。
まあそれならストレイ・キャッツのROCK SERIESは、1981年に発売されたファーストアルバムの曲も収録されていたので変ですが・・あまり深く考えないことにします!
こちらはジーン・ヴィンセントのROCK SERIESです。
ギターを持ったジーン・ヴィンセントの横にある赤いマークは、なぜ入れたのでしょうか・・。
こちらは前述のストレイ・キャッツのROCK SERIESに収録の「ビー・バップ・ア・ルーラ」のオリジナル版が聴けます。
ROCK SERIESの中で繋がりがあるなんて、中々すごいですね。。
最後は、エルヴィス・プレスリーです。
これに関しては、完全に騙されました!
良く見ると、「A TRIBUTE TO ELVIS PRESLEY」となっています。
有名曲は含まれているのですが、プレスリー本人が歌っているテイクはほとんど収録されておらず、誰かのカバーバージョンになっています。
しかも、プレスリー本人のインタビュー音源がちょくちょく間に挟まっています。
このインタビューのトラックが5分とかあってかなり流れを阻害しているため、プレスリーのROCK SERIESはほとんど聴いていません・・。
ダラダラとROCK SERIESについて書いてきましたが、いかがだったでしょうか。
世間で言われる名盤でなくても、例え大人の事情で作成されたコンピレーションアルバムでも、大事な1枚というのは誰にでもあると思います。
このブログを書くにあたってROCK SERIESを聴き直したのですが、当時の記憶が一気に蘇ってくるような感覚になりました。
音楽を聴こうと思った時、どうしても新しいものや自分がまだ聴いたことのないものに手を伸ばしがちになります。
しかし、たまには過去に聴いた自分的名盤(思い出盤)を聴き返したり、音源と一緒にギターを弾いてみるのも良いなと、今回思った次第です。
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