少し前ですが、フェスに出演したあるバンドのボーカリストが、ライブ中に携帯を見ている観客に対して、SMSで苦言を呈したというニュースがありました。もし自分の演奏中に、こういった「聴く気のないお客さん」がいたら、どうすれば良いのでしょうか?
冒頭のニュース記事はこちらです。
何となく知れたら良いという方や、ニュース記事のリンクが切れてしまった時にために、概要を書いておきますね。
- めざましテレビのフェスにNovelbrightというバンドが出演。
- このバンドのボーカリストが、自分達の出番中にずっと携帯を見ているお客さんに対して、X(旧Twitter)で目障りだと批判。
- ツイートでは、問題のお客さんのおおよその座席位置にまで言及している。
- 前後にライブに来てくれた人への感謝の気持ちを伝えるツイートなどもあり、批判だけしたのではない。
もともとのニュース記事が、このボーカリストへ批判的な立場で書かれている気もしますが、おおよそこんな感じです。
恥ずかしながらこのバンドやボーカリストのことを知らなかったので、もともと物申す系な所も共感を得ていたのか、思わず愚痴が公になってしまったのかは分かりません。。
しかし、影響力のある人物が、個人を特定できるような内容の批判をするのは、やりすぎな気がします。
単独ライブではなくフェスということで、様々なアーティストのファンが集まっていたはずです。
問題のお客さんは、お目当てのアーティストの出番まで、体力を温存していたのかもしれませんし(ライブを見るのも結構疲れる・・)、SNSでフェスの様子を発信していたのかもしれません。
知らないアーティストのステージが見られるのもフェスの魅力なので、ずっと携帯を見ているのも、もったいない気がしますが・・席を埋めてくれていただけでも、ひとまず感謝という所ではないでしょうか。
私はそんな大規模なフェスに出たことがないので、苦言を呈したボーカリストの気持ちを推し量ることはできません。。
しかし、複数の演者が順に出演するライブには良く出ており、似たような経験をしたことはあります。
「引っ込めー!」みたいに酷いヤジを受けたことはまだありませんが、演奏中に携帯を見られることはよくあります。
携帯で完全に個人の用事を内職している場合もあると思いますが、たまに「こんなギタリストがいたよ」と発信してくれているお客さんもいたりするので、一概に携帯を見ているから演奏を聴いていないということにはなりません。
しかし、演奏中に寝られたり、あからさまにつまらなさそうな顔をされたこともあり、これは間違いなく聴く気がないと言えます・・。
他には「あいつのライブを見に来たんじゃないぞ」みたいな、悪態をつくような会話をされたこともあります(この場合は逆にまだ聴いてくれてるのかもしれませんが)。
聴く気がないオーラが出ていると、当然良い気持ちにはなりません。。
しかし、お目当てが誰であれ、お金を払って来てくれていることには変わりないので、他のお客さんに迷惑を掛けなければ、ある程度自由に振る舞うのはOKだと思います。
むしろ、ライブ中はスマホ操作NGとか、私語は完全に禁止とかにしてしまったら、敷居が高くなって誰も音楽を聴きに来てくれなくなってしまいそうです。
まあ、暗い会場でスマホをさわられると、そこだけチカチカ明るいのが気になりますし、長時間会話されると、他の人にとっては雑音になるので、節度を守る必要はあると思いますが・・。
そういえば、世間で名盤とされているライブ盤を聴いていると、曲中に騒いでるとか、ベラベラしゃべってる様子が録音の中に残っていたりします。
例えばビル・エヴァンスの「Waltz For Debby」は、ギタリストの私ですら知っている有名なライブアルバムですが、演奏中でも話し声がやんでいませんし、曲が終わった後の拍手もまばらです。
まあこの場合は、高度かつアグレッシブな演奏に観客がついていけてないのかもしれませんが・・トッププレイヤーの名演奏でもこんな感じだと考えると、気が休まります。。
演奏中に聴く気がないお客さんの顔色を伺うのは、あまりメリットがなさそうですね。
逆に、聴く気がない人を気にしてしまうと、こちらに振り向かせようと演奏に力が入ってしまい、良くない結果に繋がるかもしれません。
演奏以外では、MCで聴く気がない人をいじる方法もありそうですが、よほどの話術がない限り、失敗に終わりそうです・・。
個人的には演者が特定のお客さんのことについて話すのは、(誕生日を祝う等のポジティブなことでない限り)かなりNG寄りの行動ではないかと思います。
あ、誕生日も今は個人情報の関係でダメかも・・。
みなさんは「聴く気がないお客さんがいたらどうする?」でしょうか。
ブログのタイトルにしているのに、こちらで明確な答えが提示できず投げっぱなしですみませんが・・。
あえて絞り出すなら、「普段通り、演奏に集中する」という至極真っ当なスタンスが1つの回答でしょうか。
ライブで演奏していると毎回周囲の状況が異なり、自分でコントロールできないことも沢山あります。
今回書いたような、テンションが下がる出来事も時には起こります。
しかし、気持ちを込めた演奏は演奏者にしかできないことなので、そのラインだけは何があっても死守しないといけませんね。
ステージに立っている以上そこにいる人間が主役なので、変に媚びたり卑屈になる必要はないと思います。
逆に少しでもそういう雰囲気が出ていると、それをお客さん側が感じ取って聴く気がなくなっていくのかもしれません。。
せっかく音楽が好きでを楽しむために集まっているので、見る側・演奏する側の両方にとって心地良い時間になるように、お互い配慮できれば良いですね。
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