ライブ本番のための練習やイメージトレーニングは一生懸命やっても、本番手前のリハーサルで何をすべきかは、考えていないことが多いです。せっかく本番に近い状況で音を出せる機会なのに、無策で臨むのはもったいないですね。PAさんとうまく意思疎通して良いステージにするためにも、改めてリハーサルでやることを考えてみます。
リハーサル(以下リハ)と言っても、バンドなのか弾き語りなのか、どのような楽器編成か、オケを使うのか等によって、内容が変わってくると思います。
すべてを網羅する知識も調べる能力もないので、今回は最近出演したギター1本でのライブを例に考えてみます。
少し特殊なケースかもしれませんが、「それは良い考えだな」とか「自分の場合はもっとこうした方が良さそう」という風に、参考にしてもらえると幸いです。
ライブの概要は次の通りです。
- ソロギターをベースにしたインストの演奏(歌なし)
- 使用ギターはエレアコ1本のみ(この会場では初めて使う)
- 曲によってディレイやモジュレーション、ルーパー等のエフェクトを使用
- 演者が複数いるブッキング(対バン)形式のライブ
- 会場はこれまで何度かお世話になっているお店
ごちゃごちゃ書きましたが、ギターとエフェクターを持って、インストを演奏しに行った感じです!
ギターだけなので、リハは簡単に終わると思われるかもしれませんが、果たしてどのように進むのでしょうか?
ここから、ライブ当日のリハ関連の動きを見ていきます。
ライブの数時間前・・必要な機材を準備し、会場へ向かいます。
この時、リハで何を確認すべきかを考えながら移動してます。
もっと早目に考えておけって話なんですが・・今回のブログはその反省も兼ねて書いてる感じです。。
ギターをラインで出力するだけなので、こんな悠長な感じでも大丈夫ですが、例えばオケを使う場合は、会場で再生できる音源のフォーマットを確認しておくなど、入念な事前準備が必要になりますね。
会場に着いたら、専用のシートに曲順や使用機材、要望などを書いて提出します。
私の場合は1人でギターを弾くだけなので、書くことは少ない方だと思います。
ただ、ループを流しながらMCするタイミングがあり、そこだけはマイクのボリュームを上げてもらえるように、しっかりメモしておきます(演奏中はマイクのフェーダーが下がっていると思うので)。
イレギュラーなことは急にやらず事前に伝えておき、自分とPAさんの両方で「仕込み」が完了している状態が理想だと思います。
そんな感じでシートを書き終わりましたが、まだ他の出演者の方は1人も来ていません。。
リハは出演の逆順でやることが多いですが、全員が時間通りに来れるとは限らず、順番が変わることもあります。
今回は最初にリハをやらせてもらえることになりました。
時間的にも、精神的にも余裕が生まれるので、早めに会場入りするのは三文の得ですね(指定時刻より早く着き過ぎると迷惑ですが・・)。
さあ、ギターとエフェクターボードをセッティングしてリハが始まりました。
まず、ほんの一瞬だけですが、無音の状態でのノイズを確認します。
これは、自宅で弾いていた時に、ブーンというノイズが少し大きくて気になっていたからです。
まあエフェクターを何個も直列に繋いでるのも影響してるんですが・・あんまりうるさかったら、弦アース(エレキのように、弦に触ったらノイズが減る)処理をリペアショップにお願いしようと思っていました。
ライブ会場ですぐに何か対策できる訳ではないので、本当に個人的なことを一瞬確認したという感じです。
幸い、空調など他の音でノイズは聴こえませんでした。
気を取り直して、リハの続きです。
まずは通常の(エフェクトなしの)出音で、ライブで演奏するソロギタータイプの曲を弾きます。
この形式での演奏が、大半を占めるためです。
曲を弾いている間、PAさんに様々調整頂き、こちらもイメージしている音との乖離がないか確認します。
今回は何度か出演経験のある会場での演奏ですが、それでもこの通常音での確認は重要だと考えます。
新しいギターを使っているというのもありますが、そうでなくても例えば移動中に機材のツマミが不自然な位置になっていたり、会場側の機材で不具合が生じてたりすることもあるためです。
しかも機材のツマミは、家で練習していた時と同じにしたからといって同じ音が出るとは限らないので、しっかり聴いて、おかしいなと思った所があれば相談したり、調整したりします。
この時はリバーブが少し欲しかったので、薄くかけてもらいました(手持ちの機材にリバーブがないので)。
リハではステージ上で聴こえる音はもちろん確認してますが、外(客席)に出ている音の状態は、基本的にPAさんにお任せしています。
会場の機材や音響について一番詳しいと思うので、その人が良いと思うようにしてもらうスタンスです(サボっているわけではありません・・)。
逆に、PAさんがいなくて自分でやらないといけない時は、きっちり確認しないといけませんね。
そういえば、リハでの確認項目の中には「自分の調子」も含まれています。
と言うのも、自宅や練習スタジオと、本番の会場では、ギターを弾いた時の感触が異なることが多いためです。
これは、ステージ上の温度や手汗の具合が関係しているかもしれません。。
ライブ当日に、急に指先の皮がめくれるなんてこともあります。
体の変化に本番中に気付いて焦るよりは、リハで何となくチェックしておくと安心です。
ここまで来ても、まだリハの時間に余裕があったので、この会場で初めて演奏する曲を1コーラスほど演奏しました。
特にルーパーを使って音を重ねるアレンジの場合、会場によって響き方や聴こえ方が異なる場合が多いので、その具合を確認したかったためです。
この時は特に問題ありませんでしたが、例えばループが大きすぎる場合は、ルーパーのヴォリュームを下げたり、手元の弾き方で微調整したりする必要があります。
最後に、エフェクトをかけた音を確認します。
音が大きくて割れてしまったり、エフェクト音が不快な音色になっていると、演奏が台無しになってしまうからですね。
ギター1本なので大丈夫と思われるかもしれませんが、リハなしのライブだとたまにそんな状況に陥ります。。
PAさん側も、入力レベルがオーバーしないか確認したいということをよく聞くので、特に言われなくても自分からやるようにしています。
もちろん、急に大きな音を出すと機材にダメージを与えてしまう可能性もあるので、確認する内容をしっかり伝えてから音を出します。
気になる箇所を全部やっていたら時間が足りないので、一番音が大きくなっていると思われる部分や、ワウやモジュレーションのエフェクトで音色が劇的に変わるような部分だけをピックアップして確認していきます。
これでリハは終了です。
自分のリハ中に別の出演者の方が来られたので、素早く機材を片付けてバトンタッチします。
今回は大きな音・不快な音の確認を最後に行いましたが、時間がない場合は優先的にやるべきかなと思いました。
もしチェックできずに、本番で急に音が割れたら焦りますし、何より会場にもお客さんにも迷惑をかけてしまいます。
新曲の演奏は、時間が残っていたらという感じが良さそうですね。
今回あらためてリハの内容を文章にしてみて、優先順位をしっかりと付けておくことが大事だと感じました。
また、確認する項目を考えておくことは重要ですが、数が多すぎても全部できませんし、1つ1つの確認時間も減ってしまいます。
PAさん側からの確認事項やコメント等もありますし、時間に余裕を持っておくのは重要だと思います。
何より、演奏する側もPAさん側も、お互いにまだ不安な部分が残っている・・という状態で本番を迎えるのは避けたいですし!
演奏形態や会場の状況、さらにはPAさんのやり方も様々あるので、理想的なリハの進め方は1つに決められないかもしれません。
しかし、演奏する側とその音を届ける側がお互いに意図を汲んで、なるべく短い時間で本番の準備をするという部分は変わらないかと思います。
より良いライブができるように、これからもリハの内容を考えて、必要であれば見直していきたいと思います。
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