ライブや発表会などの本番で、理想的な演奏ができるのか?と不安に思うことは多いと思います。その気持ちが練習のモチベーションにもなる訳ですが、いつまでも心配性のままでいる訳にもいきません・・。今回のブログでは、簡単な計算で本番で演奏が成功する確率を求めて、その結果を練習に活かしていこうという試みです。
曲ごとの成功確率
さっそくですが、やり方の説明です!
拍子抜けするほど簡単なので、どうか飛ばさず読んでみて下さい。
まずは、成功する確率を求めたい曲を決めて、その曲を最初から最後まで、通して演奏します。
この時、なるべく本番に近い環境で演奏する方が結果の精度は上がりますが、出来る範囲で構いません。
例えばバンドで演奏予定であれば、バンドメンバー全員が集まるのが理想的ですが、1人でクリックや音源に合わせて弾いても大丈夫です。
大事なのは、途中で止まったり、弾き直したりせずに最後まで演奏することです。
これは、1曲を弾き切ることだけは、何とか一発勝負の本番に合わせておきたいという意図です。
さて、曲を弾き終わったら、演奏が成功したか、失敗したか(まだ課題があるか)を判断します。
時間がある場合は、録音した演奏を少し時間を空けてから聴き直すと確実ですが、弾いてすぐの印象でも構いません。
実際は、成功か失敗かの2択ではなく、その間の微妙なラインにいることも多いと思います・・。
しかし、正確な計算をすることが目的ではないので、簡単のために成功/失敗のどちらかに決めてしまいます。
ここまでの、演奏と成功/失敗の判定を3回繰り返すと、おおよその成功確率が概算できます。
成功回数別の演奏の成功確率は、
- 0回成功:0/3 = 0[%]
- 1回成功:1/3 = 33[%]
- 2回成功:2/3 = 67[%]
- 3回成功:3/3 = 100[%]
となりますね。
3回弾いたことによって、成功確率が4段階に分かれました。
もちろん、試行回数を増やすために4回以上弾いても良いですが、長い曲だとちょっと辛くなってくるかもしれません・・。
ただ、2回に減らしてしまうと、0%/50%/100%の3段階になってしまうので、ちょっと少なすぎます。
もちろん、本番では緊張したり、環境が違ったりという影響があるので、求めた成功確率よりは下がる方向になると予想されます。
ずばり成功確率を求めたというよりは、成功確率の最大値を概算したと言った方が、良いかもしれません。
練習へのフィードバック
成功確率が求まったら、どのような練習をどのくらいしないといけないかを考えます。
状況によりますが、成功確率100%の時以外は、何らかの対策が必要と言えそうです。
成功確率0%なら、そもそも曲を弾き切ることすら出来ない状態かもしれません。
すべてのフレーズが頭に入っているか、曲の構成を間違えていないか、などをチェックする必要がありそうです。
成功確率が33%なら、1回は成功と言える程度に弾き切れていることになります。
残り2回のどこでつまずいたのか、成功した1回は何が良かったのかを分析して、反復練習を重ねることになりそうです。
成功確率が67%なら、あと一歩という所まで来ています。
難しいフレーズがたまにキマらないのか、逆に簡単な部分で集中が切れて失敗してしまうのか、原因を突き止めて、より高みを目指して行きたいですね。
いずれにせよ、本番の演奏を成功させるために、結果を練習にフィードバックするのが重要です。
前述の通り、本番では成功確率が下がる方に補正されるので、少し厳し目くらいの評価で丁度かもしれません。。
しばらくしたら、練習ついでにまた3回通して弾いてみて、成功確率を計り直しても良いですね。
本番の成功確率
本番では1曲だけでなく、複数の曲を演奏することが多いと思います。
個々の曲の成功確率は分かったものの、全体としてはどうなるのか・・?
こちらも簡単な計算で推定してみます。
本番の全曲で成功する確率は、各曲の成功確率の掛け算になります。
例えば、本番で3曲弾くとしましょう。
1曲目の成功確率は3/3(100%)、2曲目は1/3(33%)、3曲目は2/3(67%)とすると、全曲が成功する確率は
3/3 × 1/3 × 2/3 = 6/27 = 27[%]
となります。
厳密には、確率の掛け算が成立するのは、各事象が互いに独立であることが必要です。
しかし実際は、2曲目に失敗してあせってしまい、3曲目を演奏するメンタルに影響した・・のように、様々な関連性が考えられますね。。
まあ、あまり厳密にやっても目的から離れてしまいますし、この辺は勘弁して下さい・・。
それにしても、先ほどの全曲の成功確率27%というのは、かなり低い確率ですね!
各曲の成功確率は適当に設定しましたが、現実でもあり得る程度の値だと思います。
本番を自分が思ったように完璧にこなすことは、かなり大変だということが分かりますね。
ライブの後に、うまく演奏できなかったと落ち込むケースが多いのも、何となく納得です。。
曲数が多い時の応用
今回は本番で3曲弾くと設定しましたが、10曲とか20曲弾くケースもあると思います。
曲数が多い場合、均等な時間配分で練習していたら、時間がいくらあっても足りませんね。
そんな時は、今回の成功確率の考え方が使えるかもしれません。
例えば直近の成功確率が100%の曲は飛ばして、0%とか33%のものを優先的に練習することで、限られた時間を有効に使えます。
セットリストに占める0%や33%の曲の割合いが高い場合は、予定より多くの練習時間を確保しなければならないことを示唆しています。
もし本番まで時間がなければ、0%や33%の曲を66%や100%に差し替えるのが、解決策になるかもしれません。
今回求めた確率はあくまで概算ですが、この曲はいける、この曲は難しい、と従来は感覚で計っていた部分を、数字で表せるのが良い所かと思います。
成功/失敗の判断基準や、曲を通して演奏する時の環境などを色々と検討していくと、概算の精度も上がっていくのではないでしょうか。
以上、現在の状況を客観的にとらえて、練習内容に活かし、本番で良い演奏をするために考えた、成功確率についてでした!
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