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音楽関連のデータ名の付け方を考える

今や写真や住所録などの一般的なものだけでなく、音楽関連のデータもパソコンで管理している人が多いと思います。データは移動やコピーが容易な反面、不要なデータが大量に残ったり、必要なデータを探しにくいといったデメリットも存在します。そこで今回は、機能的・効率的な音楽関連のデータ名の付け方を考えてみます。

音楽関連データあれこれ

 

まずは、音楽関連のデータにどのようなものがあるか、全体を見てみたいと思います。

 

ざっと挙げてみると・・

  • 演奏の録音データ
  • ライブの録画データ
  • 作成した歌詞や楽譜のデータ
  • 演奏中の写真データやアー写(宣材写真)
  • ライブやイベントのチラシ(フライヤー)
  • 練習用・本番用のバッキングトラック
  • レパートリーの管理データ
  • セットリストの管理データ
  • 機材のマニュアル(冊子でなくPDF等も多い)
  • 練習の日記データ

といった所でしょうか。

 

私の場合は他に、このホームページの原稿や素材のデータ、ギターレッスンの記録データ、YouTubeに投稿した動画の編集データなどもあります。

 

意外とたくさんありますね・・。

 

 

 

救いは、市販の音楽データについてはあまり気にしなくて良いことでしょうか。

 

随分前から、CDを入れたら後はソフトウェアが良きに計らってくれますし、今ではサブスクもあるので、データ自体を自分で持っておく必要がありません。

 

音楽データのデータ量が、他に比べて格段に多いと思うので、これは助かります。

 

もうカセットテープやMDを手作業で管理してた時代には戻れませんね・・。

 

 

 

話が反れましたが、以降は私が普段やっている、音楽関連のデータやフォルダの、名前の付け方をご紹介します

 

と言っても、複雑なプログラムを組んでる訳でも、緻密な動画編集をする訳でもないので、特別なことは何もやってません。

 

簡単な命名のルールや、運用方法を決めておくだけなのですが、それだけでもデータを探したり管理したりする手間が少なくなりますし、ひいては音楽そのものに集中しやすい環境になるといったノリです。

 

 

 

なお、今回は対象OSをWindowsに絞らせてもらいたいと思います。

 

音楽関係ではMacを使っている方も多いと思うのですが、私はほとんど触ったことがなく知見がありません。。

 

Linux系は使っている人が少ないでしょうし、データの並ぶルールがWindowsと異なるので、こちらも対象外とさせて下さい。

アルファベットで名前を付ける

 

まずは普通に曲名やアーティスト名などを付ける場合を考えます。

 

例えばYesterdayという曲の録音データなら「Yesterday」と名前を付けるか「イエスタデイ」とするかの2通りが考えられますが、どちらにしますか?

 

後者の「イエスタデイ」の方がパッと見て分かりやすいですが、どちらかというと「Yesterday」の方が良いです。

 

 

 

理由は、「Yesterday」はデータがある階層でキーボードのyキーをタイプするだけで、そのデータ(またはフォルダ)が選択された状態にできるからです。

 

選択された状態でEnterキーを押すと、そのファイルが録音ソフトや音楽プレーヤーで開かれるか、フォルダの場合なら下の階層に進むことができます。

 

さらに「Yesterday」の上の階層に「Beatles」というフォルダがあるとすると、そこから最短でb→Enter→y→Enterだけで「Yesterday」の録音データが開けるということになります。

 

 

 

一応、カタカナでも同じようにタイプして選択状態にできるのですが、全角モードにして「いえすたでい」とタイプしてそれを変換して・・という手順が必要なので、少し手数が多いように感じます。

 

また、ソフトウェアによっては全角(2バイト)文字が入っているパスを認識できないので、避けた方が良いというのもあります。

 

 

 

アルファベットであれば、例えば「Yesterday」と同じ階層に、同じYから始まるデータである「Yellow Submarine」がある場合も、yesまでタイプすると「Yesterday」までたどり着けます。

 

このケースでも、カタカナの時より体感的にかなり早いです。

最初に年月日を入れる

 

演奏の動画データやイベントのチラシのデータなどには、そのデータを作成した日付を年月日の形式で、データ名の最初に入れておくと良いです。

 

例えば、2024年8月12日に練習スタジオAで録画したデータなら、「240812_Studio_A」のようにします。

 

これは日付を最初に入れることで、複数のデータが同じ階層にあっても日付の順にきっちりと並んでくれるで、分かりやすいためです。

 

240720_Studio_B

240812_Studio_A

240817_Live_KYOTO_MUSE

 

↑こんな感じで時系列で並んでくれます。

 

新しいデータを上にしたい場合は、昇順と降順を切り替えればOKです。

 

日付と場所が書いてあれば、大抵は分かる(ユニークな名前となる)ので良いですね。

 

 

 

ちなみに、日付と場所の間にある「_」はアンダースコアと呼ばれる記号です。

 

ソフトウェアによっては空白(スペース)が入ったパスやファイル名が読み込めないことがあるので、よくアンダースコアで代替します。

 

 

 

いちいち自分で日付を入れなくても、パソコン等のデータには最後に更新した日付がタイムスタンプとして記録されるんじゃないの?と思った方もいるかもしれません。

 

しかし、データをコピーしたり更新したりしたタイミングで、意図せずその情報が変わってしまうことがあるので、明示的に日付の情報を書いている形です。

 

システムが勝手に付けた「更新日時」でソートするのではなく、自分で付けたファイルの「名前」で確実にソートしようという考え方ですね。

 

 

 

日付の入れ方は、20240812のように2024年であることが分かるようにしても大丈夫です。

 

ただし、240812という名前の付け方と併用しては意味がない(順番がぐちゃぐちゃになる)ので、どちらかに統一しないといけません。

 

また、英語では年・月・日を書く順番が異なるので、英語圏の人とのやり取りがあるなら、それに応じて命名規則を変更しても良いと思います。

番号を振る

 

整然と番号をつけられるものは、名前の最初に番号を振っておきます。

 

例えば、同じ階層にあるフォルダに

 

01_録音データ

02_動画データ

03_写真データ

 

と名前を付けておけば、1から順番に並んでくれますし、番号をキーボードでタイプすると、そのフォルダを瞬時に選択できます。

 

 

 

きっちりと分類できないような状況では、後で間に付け加えられるように

 

10_録音データ

20_動画データ

30_写真データ

 

とするとなお良しです。

 

例えば後で録音データの新しい分類が出てきた時に、「11_ライブ録音データ」のようにして追加することができます。

 

これだと古いフォルダの名前を変更せずに、

 

10_録音データ

11_ライブ録音データ

20_動画データ

30_写真データ

 

と並ばせることが出来ますね。

 

 

 

ファイル名の後に番号を振って行く方法もあります。

 

例えば録音のテイク数のように、単純に増えるものは

 

Yesterday_take01

Yesterday_take02

Yesterday_take03

 

のようにしてもきちんと順番に並んでくれます。

 

 

 

チラシのように、後から内容を変更したりブラッシュアップするものは、versionを増やしていくのも良くやります。

 

例えばたたき台のデータから少しブラッシュアップしたものを

 

240817_MUSEライブ_フライヤー_v2

 

とすると、versionが一番大きいものが最新だと分かります。

 

また、編集前の過去のデータも別に置いておくことができるので、万が一最新のデータが消えてしまった場合や、やっぱり昔のデザインの方が良かった・・なんて時にも再利用することができます。

その他の応用

 

ここまでの名前の付け方を適宜組み合わせると、色々と応用が効くと思います。

 

例えば、アドリブ練習用のバッキングトラックのデータを分類することを考えてみましょう。

 

 

 

まずはジャンルのフォルダ名をアルファベットで付けます。

 

Blues

Funk

Jazz

 

↑とりあえずこんな感じにします。

 

 

 

次に曲のキーをフォルダ分けします。

 

ここはアルファベットでも良いですが、#と♭が付くキーだとうまく並べるのが難しいので

 

01_C

02_C#

03_D

・・

11_Cm

12_C#m

13_Dm

・・

 

のように番号を振ってしまった方が良いかもしれません。

 

 

 

その下にテンポ(BPM)でフォルダを分けるか、データそのものを置きます。

 

095_BPM_Straight_Blues

110_BPM_Chicago_Blues

120_BPM_Blues_Rock

 

↑こんなイメージです。

 

最後の階層なので、BPMだけでなく簡単に内容が分かるような名前にしてみました。

 

 

 

ここでご紹介した分類方法は階層が深くてフォルダ数も多く、実際に運用するには少し面倒かもしれません。。

 

分かりやすく使いやすい構成の方が良いのは間違いないので、状況に応じて色々変えて頂ければと思います。

 

 

 

それでは、データ名の付け方について、他に良く使う方法を2つご紹介して、本ブログを締めたいと思います。

 

1つ目は、前に少しだけでてきたアンダースコア「_」を名前の先頭に付ける技です。

 

 

 

これは、常に頭の方に表示しておきたいデータやフォルダに適用します。

 

例えば必要なエフェクト等を設定したカラの録音データがあり、常にこれを開いてから曲を録音するとします。

 

データ名の前にアンダースコアをつけると・・

 

_Setting_template

Yesterday_take01

Yesterday_take02

Yesterday_take03

 

↑このように、アンダースコアを先頭に付けたデータを先頭に持ってくることができました。

 

これは、Windowsでは半角の記号が最も優先されることを利用しています。

 

半角記号なので別にビックリマークの「!」でも構わないのですが・・見た目のきれいさからアンダースコアにするのがベストだと思います。

 

 

 

2つ目は、ファイル名を簡潔にするために、自分で省略のルールを作っておく方法です。

 

良く使われるものとしては、以下のようなものがあります。

 

オリジナル(original):org

後で消して良い一時的な(temporaryの)データ:temp

作業中のデータ:work

AAAあり(with):wt_AAA

AAAなし(without):wo_AAA

 

例えば録音データを編集している時に、テスト的にリバーブをかけないデータを作成した場合、

 

Yesterday_take03_wo_Reverb_work

 

のようなデータ名にする感じです。

 

これらは慣れると便利ですが、他の人とデータのやり取りをする場合は伝わらないことがあるので、その点だけ注意が必要です。

 

 

 

今回は以上です。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

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