楽器や人の声には出せる音の高低の範囲「音域」があります。音域は五線譜やピアノの鍵盤で図示されることがほとんどですが、ギターを弾く人間からすると、指板上でどの範囲になるか?という説明の方が直感的に分かりやすいです。という訳で今回は、いくつかの楽器やボーカルの音域をピックアップして、それらをギターの指板図で示してみたいと思います。
ギター以外の楽器の音域を知ることは、単にその楽器を知るというだけではないプラスの効果がありそうです。
例えば、一緒にプレイする時に相手の音域を邪魔しないバッキングができるかもしれません。
曲を作ったりアレンジする時のキー設定の参考にもなりますし、基本情報として知っていて損はない感じですね。
今回は、このような指板図をに色を付けることで、各楽器の音域を図示したいと思います。
ギタリストにはお馴染みの図ですが、一応説明すると・・縦に並んだ数字は弦を表しており、1弦から6弦まであります。
横の数字はフレットです。
今回は、最高音を1弦20フレットのCの音にしました。
最大で何フレットまであるかはギターにもよりますが、最高音はごくまれに使用する程度だと思うので、ひとまず十分かと思います。
最高音で思い出したのですが、これから音域を図示する楽器も、おそらくギターの超ハイポジションのように、音は出せても演奏するには困難な音が存在すると思います。
私自身ギター以外の楽器に明るくないので、その辺りが加味されていない点、ご容赦頂けたらと思います。
音域の調査で参考にさせて頂いたWEBページで、演奏しにくい音が明言されている場合は、分かるように色を分けて図示したいと思います。
それでは、まずはこちらの楽器の音域です。
【参考】THE SAXONLINE
個人的にはサックスの中で一番演奏人口が多いと思っているアルトサックスです。
指板図に色を付けた部分が、アルトサックスで出せる音の範囲です。
フワッとした優しい音のイメージですが、結構高音まで出るんですね。
低音側は少しだけですが、ギターでしか出せない音域が存在しています。
【参考】THE SAXONLINE
アルトの次はテナーサックスです。
低く力強い旋律を奏でるイメージですが、思ったよりも音域が広いです。
ギターとほぼ同じ音域でもあるんですね。
カッタウェイのないギターなら、もうほとんど音域が被っていると言えそうです。
【参考】OTO×NOMA
こちらはトランペットですが、参考サイトに吹くのが難しい音域まで載っていたので、図に反映しています。
薄い色付きの部分が演奏に適した音域、濃い色付きの部分が吹くのが難しい音域だそうです。
すべての音域を含めると、意外と広い範囲をカバーしているように感じます。
また、鮮烈な高音のイメージがあるので、ギターの20フレット以上の音が出ないのは意外でもあります。
トランペットの持つ音色のパワーが、ギターでは出せない高音をイメージさせていたのかもしれません。
【参考】OTO×NOMA
ジャズで良く使用される楽器が続いたので、コントラバスもいってみたいと思います。
図示できてませんが当然低音側の限界はギターよりも低く、ギターの6弦開放のE音よりさらに1オクターブ低いE音になっています。
全体のチューニングはギターの3~6弦を1オクターブ下げた状態と同じですね。
ギターをやってると音階とポジションの関係が分かるので、親近感が湧く楽器です。
【参考】OTO×NOMA
次は弦楽器つながりでバイオリンです。
最低音は「G線上のアリア」のG音。
最高音は、ギターだと1弦27フレットになるG音になっています。
ウリ・ジョン・ロートやヘルゲ・エンゲルケのスカイギター(32フレットまであるらしい)の超高音フレーズがバイオリンっぽく聴こえるのは、同じ音域な上に、これまでギターが奏でたことのない音色になっているからかもしれません。。
【参考】OTO×NOMA
バイオリンの次はチェロです。
一見ギターとほぼ同じ音域に見えますが、最低音はギターの6弦開放よりさらに低いC音です。
ギターだと6弦がデロデロになるくらい下げないとでない音ですね。
そういう意味では、ギターの音域とほぼ同じですが、少し低めにシフトしていると言えそうです。
私は弾いたことがありませんが、チェロは完全五度チューニングということで、運指が大変そうですね。
一番低いC音からドレミを弾くと、ドレミファまで弾いてやっと次の弦にいけるってことなんで・・考えただけで指がつりそうです。。
【参考】SOUND HOUSE
始めから勝負?は見えてますが、一応ピアノの音域はこんな感じです。
ギターを完全に内包してますね。
ちなみに、ライブハウスによく置いてあるキーボードは、88鍵でピアノと同じ音域のようです。
勝手にピアノよりも鍵数が少ないと思ってましたがフル装備だったんですね・・凄い!
【参考】弾き語りすとLABO
最後は楽器ではありませんが、男性ボーカルと女性ボーカルの音域を見てみます。
まずは男性ですが、参考サイトに載っている「(声が高くも低くもない)平均的な男性」の音域を図示しました。
色の濃い部分は裏声なら出せるくらいの音程になります。
4弦から1弦のローポジションを少し越えるくらいまでになっていますね。
そういえば昔に歌物の曲を作った時、キーを高く設定しすぎて難儀したことがありました。。
平均的には図の音域かもしれませんが、人によって気持ちを込めて歌える音域は違うので、きちんと確認しながら曲を作らないとだめですね(←自省を込めて書いてます・・)。
【参考】弾き語りすとLABO
最後は女性ボーカルの音域です。
参考サイトの「平均的な女性」の音域を図示しました。
こちらも男性ボーカルと同様に、裏声を濃い色にしています。
3弦から1弦12フレットの手前までという感じですね。
女性ボーカルの音域は、もっとも心地よく聴けるイメージがあります。
ギターを弾く時も、この図の音域を出ないように気を付けると、心地よいメロディーを響かせられるかもしれませんね。
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