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ギタリストは協調性がない?

ギター以外の楽器のプレイヤーから見た時のギタリストって、演奏準備にやたら時間を掛けたり、準備ができたと思ったら自分の世界に入り込んで弾いたりと、協調性がないようなイメージはないでしょうか。果たしてそれは本当なのか?ギタリスト側の視点から見てみたいと思います。

今回は、バンドのスタジオ練習を想定して話を進めていきます。

 

誰の音が大きすぎるとか、誰が曲を覚えてきていないとか、様々なボヤキが交錯するスタジオ練習・・。

 

中でもギタリストはその標的になりやすいですが、実際の所はどうなんでしょうか?

 

 

 

実はスタジオに向かう前の準備の段階から、ギタリストは人知れず苦労しています。

 

何しろ、ギター本体と機材一式をスタジオまで持って行くために、たくさんの荷物をまとめなければなりません・・。

 

必要分のシールドやピック、予備の弦など、細かい持ち物は忘れがちなので気が抜けません。

 

遠足に行く前のような、入念な忘れ物チェックが必要になります。

 

 

 

持ち物だけではなく、当日の天気もチェックしておかないといけません。

 

大事な楽器を、絶対に濡らすわけにはいかないですよね。。

 

雨の予報だと大きな傘は必須ですし、あまりに酷そうなら移動手段を変更する必要すら出てきます。

 

 

 

たとえ晴れの日でも、ギターと機材を抱えての移動は大変です。

 

単に重いだけではなく、例えば電車移動だと他の人の邪魔にならないように気を付けないといけません。

 

車移動だと、ギターや機材にダメージがないように丁寧に積み込まないといけませんし、運転も慎重にしないといけません。

 

そんなこんなで、ギタリストはスタジオに到着した時点で、まあまあの疲労感があったりします・・。

 

 

 

そこから持参したギターと機材をセッティングしないといけませんが、これも一筋縄にはいきません。

 

ドラマーやキーボーディストはスタジオに備え付けの楽器を使う場合が多いですが、ギターは1から準備する必要があります。

 

中にはスネアドラムだけ自前のものを持って行くドラマーや、マイマイクを持参するヴォーカリストがいますが、ギタリストの荷物の量に比べると、少ないことが多いのではないでしょうか。

 

ギターの場合、配線も複雑です。

 

ギター本体からシールドを通してワウペダルなどのエフェクターへ、そこからさらにシールドを通して・・というシステムの中で、どこか1つでもおかしくなったら音が鳴らなくなってしまいます。

 

もちろん、自宅ではきちんと動作を確認していますが、移動後に繋ぎ直すとうまくいかないこともあります。

 

そうなると、どこが悪いか確認するために他のメンバーを待たせてしまう羽目に・・。

 

機材は心配だしヘイトが集まるしで、踏んだり蹴ったりです。

 

 

 

機材に問題なくても、やらなければならないことがまだ残っています。

 

チューニングをきっちりしないといけないですし、スタジオのギターアンプに合わせた音作りもしないといけません。

 

音作りは、使い慣れたアンプならスッと決まる時もありますが、なれないものだと手間取ることもあります。

 

細かい音の違いにこだわりすぎるのも問題だと思いますが、ギターは音作りのパラメータ数が多いのでどうしても時間が掛かってしまいがちです。

 

 

 

スタジオに入ってからここまでで、他のメンバーを結構待たせてしまっていることが多いです。

 

さらに、早く準備を整えようと黙々と作業していることが、逆に自分の音を追い求めているように見られてしまうこともあります。

 

色々と事情があってのことなんですが、逆にギタリストはこの辺りをいかに素早くこなせるかが大事だということですね。

 

 

 

練習が終わると、当然ですが片付けないといけません。

 

スタジオをレンタルしている時間のギリギリまで練習しようとするメンバーもいますが、ギタリストは片付けにも時間が掛かるので、気が気ではありません・・。

 

最後の曲が終わったら、即行でギターを拭いて機材をしまって、シールドも断線しないように巻いて・・と大忙しです。

 

 

 

家を出る時と同じく忘れ物をすると大変なので、最後に部屋の隅々までチェックするも欠かせません。

 

キョロキョロしてなかなか出てこないギタリストに、「まだ?」みたいなメンバーの視線が突き刺さります。

 

たまに誰か他の人が忘れ物をすることがありますが、それを見つけるのは大抵ギタリストなので、このあたりは協調性がないどころか、大いにある方だとも言えそうですが・・。

 

練習が終わると、どこかに寄り道したり飲みに行ったりすることもあります。

 

この辺りは、普段は付き合いが良いギタリストでも、練習後は少々おっくうに思っているかもしれません。

 

なんせ大事なギターと機材が壊れないように気を付けないといけませんし、逆に他の人の迷惑にならないようにも気を配らないといけません。

 

 

 

特に人通りが多い道やお店に機材一式を持って入るのは大変です。

 

結果、身軽なギタリスト以外のメンバーよりも、一杯飲んで帰ろうという気が起こりにくく、つれないやつだと思われがちになります。

 

帰るにしても、人ごみを避けて(例えば大阪ならなるべく梅田駅を通らないようなルートを選択して)帰るなど、まるで大きな荷物を運ぶトレーラーのような道選びの慎重さが必要です。

 

 

 

ようやく家にたどり着いても、またやることが残っています。

 

ギターを所定の場所に戻して、エフェクターボードを出して配線しなおして、ケースを片付けて・・。

 

ちょっとした作業なのですが、ここまでの行程で疲れていますし、練習がうまくいかなかったなどの悪いことと重なると、結構心が折れかけます。

 

何とか気力を振り絞って、スタジオ練習の前日と同じ状態に戻せたら、ようやく1日が終了ですね。。

 

 

 

さて、ここまでで、バンドのスタジオ練習1つとっても、ギタリストは色々と大変だという言い訳を書いてきました。

 

本当に協調性がないギタリストもいると思いますが、必死に自分の役割を果たそうとして、逆に協調性がないように見えてしまってるギタリストも多いはずです。

 

ギタリスト側も注意が必要ですが、これまでより少し温かい目で見てもらえるとありがたいと思います。

 

 

 

逆に他の楽器にも、気付かれにくい大変さが様々あるはずですね。

 

一方的な視点で書いてきましたが、その辺も考えつつ歩み寄っていく必要性を感じました。

 

スムーズにバンド活動ができてればいいんですが、ちょっと亀裂が入ってくると、今回のようなちょっとしたすれ違いが、重大事件を招いてしまう可能性もありそうなので・・。

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